決議に対する反対討論                       私は 2001年9月議会で出されるとあろうと言われた“国際テロ事件の根絶に関する決議”に反対しようとしました。。実は、この決議は代表者会議が決裂する中で、議会上程されませんでした。しかし、私は、9月20日には反対討論を書き終え、決議が上程された段階で反対討論をしようと準備していました。。その内容は以下のようです。

9番高橋ブラクソン久美子です。議長のお許しと得ましたので、決議に対して反対の立場から討論させて頂きます。
今回のアメリカでの同時多発テロは、赦すのが辛い、いや許し難い行為です。人間として自らの尊厳も、人のいのちの尊厳も否定する狂喜の沙汰以外のなにものでもありません。あのテロをライブニュースで見た日本人のひとりとして、追悼と怒りの連帯を表したいと思う気持ちは良く分かります。

それなのに、皆さんは、私がこの決議案に反対する事に不思議に思われる方が多いのではないかと思います。ご存知のように、私はアメリカ人と結婚しています。アメリカ人の痛みが良く分かる立場だと思っています。それどころではありません。身内にアメリカ人のいる身としては、アメリカ人のジレンマを自分自身の事として感じられるのです。

私は、アメリカは、テロに対して敢然と武力で戦うと思います。もし、日本の多くの都道府県、市町村でこのような決議がどんどんなされていけば、日本政府もその声を受けてテロとの戦いにできる限りの支援をしていくことでしょう。その結果、どうなりますか。アメリカの若者が、ヨーロッパの若者が死んで行きます。

私は湾岸戦争の時、アメリカに滞在していました。戦争が始まって1週間ほど立つと星条旗に包まれ、英雄となった若者の遺体が次々に送りかえされてきました。それを私はアメリカのテレビで見ておりました。私のアメリカの甥は24歳から10歳までいます。私の2人の息子は日米の2重国籍です。もし、戦争が続けば、他のアメリカ人若者と同様に私の甥が、もしかしたら私の息子が徴兵されていきます。そして、そのうちの何人が帰ってくるでしょう。

大儀名分、聖戦だ、アラーの神のためにと言ってテロリストは5千人もの人を殺しました。今度はそのテロリストを懲らしめるためにと言って若者を戦場に送ります。日本の面子を立てるためにといって、自衛艦まで出して後方支援をします。後方支援があるから、戦争の終結が早くなるのでしょうか。反対に戦争が長引きやしないか。心配です。

この決議は、もっともな内容にみえます。けれども、私はこの決議の先を考えると、この決議は誠に無責任に思えて仕方ありません。私は日本人にもアメリカ人にもどの国の人にも戦争をしてほしくないし、戦争で死んでほしくありません。けれども、このような決議をして、日本人は命をかけないのに、戦争を煽ることになりませんか。日本人の血の一滴も流そうなどと考えもしないのに、海を隔てたアメリカ人にテロへの戦争をさせて、若者を死なせるであろうのを黙認するのは、卑怯ではありませんか。

今迄の理由で、私はこの決議に反対です。決議をするなら、"人間同志仲良くする方法を考えよう"という決議にいたしましょう。多くの外国の都市を狭山市の友好都市として、地方自治体レベルの平和推進を図るのは如何でしょうか。どうでしょう。

以上で私の反対討論を終えます。