2004年3月議会一般質問原稿1回目

鳥インフルエンザ
 ・ごみ行政 ・合併

2回目原稿

 

8番高橋ブラクソン久美子です。議長のお許しをいただきましたので、私の一般質問をさせていただきます。

まず、鳥インフルエンザについてお伺いします。

鳥インフルエンザは1925年に報告されて以来はじめて、今年1月11日山口県阿東町で発生を見ました。それ以降、2月大分県で発生し、京都府での2月27日確認された発生は報告の遅れから、ウイルスが各県各所に飛び火し、3月4日丹波町内において他農園でも鳥インフルエンザが発生し、その後からすにもウイルスを検出するに至りました。

この鳥インフルエンザは法定伝染病として指定されている家禽類を中心に発生する病気で、家禽が感染した場合100%の死亡が報告されています。また、タイ、ベトナム、オランダなどでは人への鳥インフルエンザの感染が報告され、最近ではタイで感染した20人中18人が死亡し、ベトナムでも18人の感染者の内13人が死亡した事が報告されています。

この伝染病を予防する方法はまだ確立されておらず、できうる防御の方法は発生後直ちに防疫をし、すべての感染した家禽類を殺処分し、ウイルスの拡散を防ぐより手立てがないとWHOなどが発表しています。

鳥類と接触のない人は感染の心配はない、人と人との感染はまだ確認されていない、たとえ感染していていても調理した鶏肉や卵からの感染はないという情報があります。しかし、先月からの報道で、鳥インフルエンザに対して発生の発見も時間が掛かったり、防疫も簡単に進まない状況を見ておりますと、stay cool, be healthyなどと呼びかけられても決して、stay cool という心境になれません。もし、鳥インフルエンザが発生したらどうするのだろうという思いは消す事ができません。私達のように養鶏に携わっていないものですらこの有様ですから、養鶏に携わっている方々は一層不安が強いのではないかと想像されます。

 そこでお聞きします。現在、この鳥インフルエンザに関して、狭山市はどのように取り組んでおられるでしょうか。また、もし、万が一鳥インフルエンザが発生した場合、狭山市はどのように対応するのでしょうか。

鳥は、動物園、学校、幼稚園でも飼っております。一時、チャボに発生したという事で鳥が捨てられるたり、処分を考えているという人の話も聞いております。いのちを大切にという観点で飼育されている鳥の扱いを粗末にしてはいけないと、私は考えております。学校での対応はどのようにしておられるか教育長にお聞きします。動物園ではいかがでしょうか。また、家庭においてのペットの取り扱いはどのようにしたらよいのでしょうか、すでに市民からのお尋ねもあろうかと思いますが、お話下さい。

 

次にごみ行政についてお伺いします。

 1996年狭山市がリサイクル年を宣言してからすでに8年目に入りました。本年度は第一環境センターの焼却炉の休止、プラスチックの一部地区での回収が始まり、懸念されていた最終処分場も地域の方々のご理解をいただき後5年延命する事ができました。来年度にはリサイクルプラザ計画もスタートするようです。狭山市ごみ行政も新しいステージを迎えたように思います。合併も合併協議会が設立され、具体的に進展が始まりました。この際、ごみ行政も1つの転機を迎えると思います。

 さて、私は3年前の日野市、青梅市、福生市のごみ行政視察に加え、昨年8月さいたま市のクリーンセンターを視察したのを皮切りに、本年に入り、所沢東部クリーンセンター、朝霞市クリーンセンター、入間市クリーンセンターの3市を視察させていただいてまいりました。このさまざまな市のごみ行政を振り返りながら、少し狭山市のごみ行政への提言をさせていただきたいと思います。

 まず、経費について気がついたことは、朝霞市が一人当たりのごみ処理単価が1万1千6百16円と低いのに驚きました。入間市も同じように調べましたところ、1万1千3百86円とここも安いのです。所沢市も東部クリーンセンターの建設費分を取り除けば安いのが分かりました。狭山市の場合一人当たり1万6千7百43円ですから、ほぼ5千円もごみ処理単価が安いのです。それで、どうして安くごみ処理ができるのかを調べようとしました。

燃やすのに比べ、リサイクルの経費は高いのが一般です。入間市の場合はリサイクル率が20%でした。狭山市はリサイクルを徹底しているので、一人当たり5千円も高いのかをおもいました。しかし、朝霞市のリサイクル率は、狭山市の23.3%に比べ、24.9%ともっとよいことが分かりました。ちなみに、リサイクルに関しては、さいたま市、所沢市、入間市、朝霞市とも狭山市と同じような資源物を回収していました。ただ、生ごみ回収しているところは狭山市だけでした。ごみ収集は燃やせるごみ、燃やさないごみ、プラスティックごみ、ビン、缶、古紙、古布で、粗大ごみはどの市でも有料戸別収集でした。

狭山市が飛びぬけている点は、生ごみのリサイクルをしているところです。しかし、プラスチックの収集をどの市でも全域でしているのにくらべ、狭山市はまだ2万世帯と市の半数の世帯にもならない状況であることを、他市の職員さんとお話をしている際、恥ずかしく思いました。狭山市でも早くプラスチックの回収を市全域で行うべきだと思いました。

なぜ、ごみ処理費用の一人当たりの経費が高いかを考えてみました。まず、収集方法にあるのかも知れないとおもいました。朝霞市の場合、収集がシンプルで、費用が安い。狭山市もプラスチックごみの場合やペットボトルでもしていますが、ビンなどでも業者が収集、仕分けし処分する一環方式をとっていました。それに、狭山市だけが古紙、古布の収集の費用を世帯数と重量にしていました。朝霞市で聞きましたところ、重量制を導入しますと業者は重量で稼ごうとするので、分別の悪いものでも持ってきてしまうという事でした。世帯数契約の場合は、リサイクルが進み、市民が分別をよくするほど、業者にとって都合がよくなるのだそうです。

また、収集に関して、狭山市は極めて高い経費をかけていることが良く分かりました。入間市の収集費用が総額で約5億円なのに、狭山市は7億2千500万円ほどかかっています。たとえ人口が1万人、世帯数でも狭山市の方が多いとはいえ、入間市に比べ、ほぼ50%も収集の経費が多いのはなんだか納得ができません。其の上、入間市は燃えるごみを週3回、燃えないごみを週1回、プラスチックの回収も週1回、市全域で行っています。狭山には燃えるごみ週2回、プラスチックごみは狭山台と水富地区だけ週1回、燃えないごみは月1回だけですから、入間市は収集サービスが行き届いていて、経費が安い。私は、狭山市は入間市に習うべき点があると思います。

次にリサイクルのしやすさ、ごみの出し安さも調べてきました。生活者にとって、リサイクルに協力するに就けても、出しやすさが大きくそれに寄与するものです。分別をするには、ごみペールを何個も買い、始終気をつけなければなりません。そういう意味からでも、朝霞市や入間市、所沢市は工夫をしていました。まず、燃やせるごみ週2回、燃やせないごみとプラスチックごみを同日週1回、資源の日を週1回と回収をしている朝霞市の仕方は、ごみを出すほうにはわかりやすいと思いました。毎週、ビン、缶、ペットボトル、段ポール、古紙、古布を出せるのは、家を片付けるものには嬉しいです。資源の日という其の日を毎週1回にしたことで、1回あたりの資源量が少なくなるので、小さいトラックで回れ、返って経費も掛からないようなのです。私は、ごみは出しやすい方が多くなり、リサイクルは進まないのではないかと思っていたのですが、リサイクルの日を毎週にし、資源を出しやすくすれば、朝霞のようにリサイクル率は上がるし、1回の収集量が減る事による効果で経費も少なくなることが分かり、目から鱗のような思いでした。

福生市を視察しましたが、福生の契約は市を4区にわけ、すべての収集を1区ずつ1契約会社に任せるというものでした。ここも世帯単価契約でしたが、効率的に車を使う事でサービスを高く保ち、経費も節減できたといっていました。多くの収集会社と契約し、そのため収集日が出すほうで混乱するより、わかりのよい収集ができると一考に価すると思いました。

そこで、合併も踏まえ、ごみ処理経費の削減を図り、市民へのサービスを向上するために、提言したいのですが、

1.   ごみ全般の収集の仕方、収集日、収集の契約を前面見直してはどうか。

2.   その際、リサイクルできるものは、すべて週に1回は収集し、リサイクル率を上げ、回収経費を削減する。

3.   その際、収集は福生市のように、区域1社制を導入し、

4.   入間市のように、毎日ごみを収集する体制に変えたらどうか。

5.   缶、ビンも仕分け処分までできる会社との契約を考えたらどうか。

 

これら、提言に対し、市長のお考えはいかがでしょうか。

 

次に

リサイクルプラザについて、少し考えを述べ、提言をさせていただきたいと思います。まず、私は狭山市の第2環境センターを建設の際、大型込み処理、缶ビンの処理場を併設しなかった事を大変残念に思います。狭山市が第2環境センターを建設したころ、朝霞市も入間市も大型ごみ処理場を併設したクリーンセンターを作りました。入間市はプラスチック仕分け施設もあります。勿論、最近できたさいたま市、福生市、所沢市のクリーンセンターには大型ごみ処理施設、缶ビン仕分け場、ところによってはプラスチック仕分け施設などが併設されているのです。もし、第2環境センターを作る際に、それらの施設をも建設したらよかったのにと、リサイクルプラザ構想が出ているだけに、いまさらながら悔やまれます。

 私は所沢のクリーンセンターを視察し、33万人都市のごみ行政を見せていただきました。所沢市では東部西部のクリーンセンターで燃やせるごみを焼却し、燃やさないごみ、粗大ごみ,びんかん。プラスチックペットボトルの処理を東部クリーンセンターでしていました。

私は、狭山市のごみ行政だけを考えるならば、大型ごみ処理場を作りたい、労働環境の悪いリサイクルセンターを新しい施設に作り変えたいというのを理解できます。問題は場所、大きさ、などでしょう。私は出来れば、大型ごみ施設は焼却炉に近い場所が適切だと思っています。また、ビンや缶を仕分けできる施設を持つ業者と委託契約ができればそれに越した事はないと思います。多少、委託単価が高くなっても、今後の施設への投資がなくなる分行政には有利だと考えます。

合併を考えた時、いや待てよという考えもあります。所沢すら、たった一つの施設で大型ごみ処理をしています。入間市と合併すれば、2箇所で大型ごみ処理をすることになりますが、其の必要があるのか。さらにリサイクルの為の学習、展示施設に関しては、やはり人が集まりやすい交通の便のよいところがよいということで、所沢市の東部クリーンセンターに隣接されている“エコロ”は入館者が少ないのが悩みのようでした。ソレを考えれば、現在の大型ごみ処理を修繕しながら使い、合併後に入間市内にある大型ごみ処理機をフル稼働させるという手もあります。ビンや缶の施設も今の5時間稼動を10時間稼動にすれば、処理に困らないのではないかと想像します。リサイクル学習施設や展示場は現在あるのでじゅうぶんであり、作る必要はありません。合併後、新しいごみ行政構想を作り上げてもよいのではないかと思うのです。

2箇所になれば経費も2倍です。できるならば、所沢のように、狭山市地区、入間市地区で1箇所ずつのクリーンセンター方式がよいのではないかと思います。あちこちに施設を分散すればするほど、人的経費も掛かります。できれば集約化する方が効率がよいのです。

そこで、提言したいと思います。

1.                        リサイクルプラザは将来の合併を見越し、当面実施を凍結する。

2.                        もし、絶対建設が必要ならば、第2環境センターの敷地内に作り、粗大ごみ残渣をベルトコンベヤーでピットに入れられるようにする。

3.                        その際、缶ビンの処理施設を持つ処理業者との委託を模索し、できなかった場合は、施設の集約か野意味で第2環境センター地内に作る事。

4.                        第一環境センターを暫時解体する方向で進めること。町の真ん中の第2環境センターが後何十年かした時に老朽化でつかえなくなり、他の場所での移転という事もありうるので、第一環境センターの跡地はしばらく公園化し、様子を見ることを勧めたい。

 

以上のように提言したいと思いますが、市長の御所見を伺いたいと思います。

 

去る2月27日法定の第1回合併協議会が開かれ、合併への道が進み始めました。
最後になりますが、合併についていくつか質問と提案をしたいと思います。

 

まず、合併を前に議論があったのは、メリットデメリットについてでした。どんなメリットがあり、どんなデメリットがあるか、合併一般論として、狭山市入間市の合併にあたりという事でした。私も、一度はそれについて考えたものです。狭山市は、財政が大変といえ、他市に比べ、決して引けをとるような財政状態ではないし、前の町田市長はじめ先代の市長のご苦労と高い市税の徴収能力の恩恵で狭山市の福祉や市民サービスは全国でも上位に入るものです。豊かな財政の中で、「福祉は高く負担は安く」を実現していたのが狭山市でした。一時は、相手の入間市が狭山市に比べさまざまな点で劣っているように見えて、入間市が狭山市の収入を当てにしているかのように思ったりもしたのです。

「損な事をよくするつもりですね。」と入間市の議員さんにも聞かれました。私が合併を進めることが狭山市にとっても必要なんだといい始めてからです。私は、この合併で狭山市が損をするということはないと考えています。合併した篠山市長が言った言葉だそうですが、「合併にデメリットはない。それらは懸念される点にすぎない」。其の本ではそれに続き、「けねんされる点は克服すべきものであり、また、ソレが可能なものです。新市建設計画の期間内にきちんと街作りができるかどうか、行政の手腕が問われます。」と言っています。

新しい市の街づくりをどうするか、合併を契機としてどうするのかが問われるべきです。長期低迷が続く中で、私達は夢を忘れ、希望を忘れ、今の生活を守ろうと必死になればなるほど、モラルは崩れ、守るべき親が子を殺したり、平気でものを壊したり、盗んだり、弱いものいじめをなんとも思わなくなるような時勢を迎えています。前に進むにしても、目標もなく、地域でも、職場でも、家庭でも自分の居場所が見つけられなくなってきているのが現代ではないでしょうか。

そんな中で、新しいものを作り出すには、エネルギーが必要とされます。狭山市を廃止し、入間市とともに新しい街を作り上げる、これは身震いするほど大それた事です。新しい街づくりは、私達に、夢を与え、目標を明確にし、ソレに向かって進んでいく希望を与えてくれるのではないかと思います。硬直したシステムの中で、今の制度の維持管理、修繕と修復、という行政から、新しい地平を開く行政のチャレンジです。合併は、新しいことをするのについていけない者、改革や革命を実行できないものにとって、重荷にしかならない辛い道のりかもしれません。しかし、次の少なくても50年を生き生きとした街にするためには、合併を通じ、新しいコンセプトで街を作っていく事が大切なのだと感じています。

 

そこで伺います。

1.狭山市入間市合併による新市建設計画をどのようにして作っていくつもりですか。どのようにして、新市建設計画策定に市民の参加を促しますか。

協議会の中で狭山市と入間市の基本構想を比べあうのもいいでしょうが、私は直接市民に聞くのも1つの方法ではないかと思っています。幼稚園生や小学生に後50年たったら、どんなところに住みたいかを絵に描いてもらう。中学生に作文で狭山・入間市の合併後50年たった時の思いを書いてもらう。合併後30年の姿という論文を市民から公募するのもよいし、フォーラムを通じ、市民意見を聞くのも良いでしょう。私は新市計画を市民参画で作るべきだと思っています。

2.先ほども言っているように、新市建設計画の策定は行政の手腕も問われます。私は、市職員も事務事業のすりあわせだけでなく、新市建設計画の夢を分け合ってほしいと願っています。職員にも新市建設計画案のコンペをしてもらうのも、よいかもしれません。特例債の使い方も職員に聞くのもよいかもしれないと思っています。現状では財源不足でできなかった事を、特例債を使ってできるならばと、其の思いを新市建設計画に託すのも職員のやる気を増すのではないでしょうか。職員の新市建設計画への意識を高め、夢をわかちあう方法をどう考えているかお伺いします。

3.新市建設計画は箱物計画ではありません。新しい街をどう作っていくか、どう建設するかという街づくり計画です。そこで、私は狭山市入間市の合併建設計画の目玉を目新しい箱物の建設にではなく、教育環境の再構築のほうに向けたいと願っています。財政とも関わるのですが、学区の再編成や学校の統廃合を通じ、古く使わなくした校舎を改築して、新しい文化センターを作ったり、図書館の分館構想を進めたりと文化的な街づくりに主眼を置くというのはどうかと思っています。グレードの高い街づくりをと私は希望しております。また、今ある用途地域の見直しも積極的にしていくべきではないかと思います。今までの考えを大きく変え、新しい街づくりには大胆な発想が必要です。狭山市入間市の垣根を越えた一体性のある街づくりはゾーニングを考える事なしには建設できないのではないかと思うのです。お考えはいかがでしょうか。

4.行政改革・財政改革も合併の大きな目標です。財政基盤を強めるために、どのような手段で何をしていくかは、新市建設計画に掲げられるテーマです。外郭団体の整理も今後必要となってくると思います。

そこで、私は、公社への改革を提案したいと思っています。

まず、狭山市・入間市の土地開発公社を解散したらどうでしょうか。昨日も土地開発公社の議論が出ていましたが、もう、土地の選考取得する使命を終えているのではないかと思います。今後は債務負担行為で土地購入するのではなく、必要な時に起債し、土地購入をした方がよいように思われます。合併の際には土地開発公社の経営状態をかえるための交付金も出るとか聞いていますので、整理するならば今ではないかと思います。また、施設管理公社は民間に移管していくのはどうでしょうか。指定管理者制度の為に、今までのようには管理を市から委託はできなくなります。計画書を出し、他の民間業者とプロポーザルによる競争が必須になりますし、入間市の公社との合併も視野にいれ、民間の経営に転換することを考えていくべき時が来ているのではないかと思うのです。財団法人で居る時よりも、民間会社になった方が事業展開をしやすい面もあるのではと思っています。

福祉公社も在宅看護はそれだけで独立採算できるし、後の事業はNPO法人として組織換えして狭山市の手から離すことを考えたらいかがでしょうか。合併後の公社について、市長の考えを伺いたいと思います。

5.                        最後に合併協議会を勧めるにあたり、基本的な考えを伺いたいと思います。調整方針を決める際には

大前提になる考えが必要だと思います。良く、行政サービスは高いほうへ、負担は低いほうへといわれましたが、それでは本当に意味で行革にならず、出費だけがかさむと言う話も聞いております。協議をどのような視点で見ていくかも今後を決める大きな指針となるでしょう。市長は、調整方針をきめ、新市建設計画を作る際にどのような基本的な考えをお持ちか伺いたいと思います。

これで私の一般質問の第1回目を終わりにします。