20049月議会一般質問原稿1回目

1.合併 (文化都市について 平和都市について 健康推進都市について 環境都市について 事務事業の調整について
2.教育 (開かれた学校 学校給食) 
3.男女共同の子育て支援
 次世代育成支援支援行動計画 父親の子育て支援

 

議長のお許しをいただきましたので、8番高橋ブラクソン久美子が一般質問をさせていただきます。

1.     合併

 法定合併協議会が立ち上げられてより、様々な協議がなされ、いくつかの点で協議の終結を見たようです。八月の合併協議会便りでは「新市のまちづくりの基本理念(案)」が示されました。その「将来都市像」として「緑と安らぎ 自立と想像に満ちた 協働文化都市」が採択され、「新市の分野別目標」をも定めました。今後は、主要な施策や重点プロジェクト、合併特例債を活用する事業などを検討するそうです。

 

私は、一連の協議を傍聴していて、特に事務事業のすり合わせが始まり、提案についての協議が回を追うごとに、新しい市の建設計画という創造的な議論というより、当たり前かも知れませんが、狭山市入間市の施策の綱引きが始まっているような気がしてなりません。すなわち、新市の姿が幻としてでも、見えてこないと言う事です。そこで、市長、教育長に新市への新しい街づくりの考えを伺いたいと思います。

 

文化都市について

将来像の中では、現在の狭山市と同様に文化都市にすることが高々と宣言されるようですが、

文化都市とはどのような市なのでしょうか?文化都市にするにはどのような重点的な施策が考えていらっしゃるでしょうか。

 

私は所沢市、川越市の文化施策の方針に対する市長の見解を先日開催された青年会議所のフォーラムでお聞きし、一理あるかもしれないと思いました。すなわち、川越はその歴史を、所沢はミューズなどを通じ文化の発信などで文化都市の個性を出しているというのです。では、新狭山市では、文化をどのように個性的に育てていくかが問題です。

 

ところで、市長は合併に伴う行革で狭山市入間市にある博物館をひとつにすることなどをフォーラムなどで明言しました。博物館が1つになっても、その1つが両市を合わせたような仕事をするならばそれでよいかもしれませんが、ただなくするというのでは、文化都市としては後退だと思います。使わない博物館をどうするのか。美術館や文化ホールなどに変えたりすべきではないか。

 

今幼稚園を統廃合する計画が進められている。財政抜きに教育行政全体を考えれば、幼児教育の後退としても考えられる事を推し進めている事になります。だからこそ、合併を考える際、それらの幼稚園を文化施設として使えませんか。図書館の分館構想は中々実現していません。入曽幼稚園、奥富幼稚園などを図書館分館として活用もできるのではないでしょうか。

 

図書館の分館構想では、入間川北地区にぜひとも図書館を含む文化施設がほしいと考えます。合併を考えるに当たり、入間川北地区だけでなく、文化施設の新しい構想を作るべきであるとおもいますが、どう考えていますか。

 

図書館に関しては、入間市と狭山市の図書館のシステムを統合または再構築しなければならない状態である。分館構想とともにシステムの構築に当たっては今以上の図書行政を望みます。また、文化行政の目玉として開架図書を日本一と言うほど増やすのはいかがですか。そして、そのために、増床を計画するのは、いかがでしょうか。

 

文化都市を目指すと言うのであれば、それなりに市民にアピールする新しい構想を合併の前に示すべきであるし、その気持ちを持ち市長は、合併協議会をリードするべきであると考えます。先ほど述べたような、川越の歴史を新市に取り入れることも、所沢のようにミューズのような文化施設を作る事も新市には事実上困難でしょう。それならば、博物館をお茶の博物館としてもっと特化、充実させることや、図書館をその内容と資料の量で近隣に負けない、それどころか日本で一番を目指して、近隣市との差別化していくことが個性ある文化都市を創造していくことになると私は考えます。市長ならびに教育長に答弁をいただきたい。

 

平和都市について

 

狭山市、入間市ともに平和都市宣言を行い、平和を希求し核兵器の廃絶を求める事を宣言しています。平和や、一瞬にして多くの命を奪い、長い年月また世代を超えて被害を与え続ける核兵器の廃絶は人類共通の願いです。この平和都市宣言は今後も永久に求めていく課題であると信じて疑いません。合併しても平和都市宣言を新たな気持ちで行い、市民とともに平和を願うべきであると思いますが、市長はどう思いますか。

 

健康推進都市について

 

今まで狭山市は「 すこやか狭山都市宣言」を行い、健康増進に率先して取り組んできました。その成果もあり、県下で女性は一番の、男性は2番の平均寿命を誇っています。今後、合併した時にこの健康増進の方針をどうして行くのでしょうか。入間市はそのような宣言も行っていないし、事務事業でもかなり違っています。今までの狭山市の健康推進施策の総括を市長はどうしていますか。現在、合併協議会では、合併後に施策の融合を考えるように行っているが、市長はこれについてどのような融合を考えていますか。

 

環境都市について

 

緑の保全、資源循環型社会の構築は現代の都市にとって大きな課題です。無理無駄なくリサイクル施設を設置し、システムを構築すべきであり、合併によるスケールメリットを用いた政策の成果がすぐ試される分野であるとかんげます。個々の事業の刷り合わせは大きな目的を完遂するという観点なしに行えば、意味のないものになってしまうでしょう。どのような観点で環境都市の形成を考えていますか。リサイクルやごみの処理についての市長としてのビジョンを伺いたい。

 

先のフォーラムでは木下入間市長は鍛冶丘陵の公有地化を積極的にあげられました。緑の公有地化を行おうとすると言われても、財政的に難しいこともあると思います。「緑と安らぎ」、それを実現するためにどのような街づくりをイメージしているか市長におききしたい。

 

事務事業のすり合わせの進捗について

 

今まで、合併協議会の中で様々な事務事業の方針を決定しようとしていますが、合併協議会以外の分科会レベルでも事務事業のすりあわせをしているようです。市民にはそのことがちっとも見えてはきていませんが、その状況はいかがですか。どのような事業をどのようにすりあわせをしているのですか。その結果はどうなっているのですか。その情報公開をどのようにしていくつもりですか。

 

事務事業のすりあわせで「合併後3年、5年後までに時間を掛けて調整」という事がままあります。そのようなすりあわせでは実際の新しい市に対するヴィジョンが市民に見えません。実際の方針決定の為に私は3月議会で「事業は質のよいほうを、それなりの負担で」することを方針とし事務事業の調整を図る事、新しい市は両市のモザイクではなく、この際、新しい市にバージョンアップしていく事を提言しました。協議会においても、合併後に調整していく課題については、少なくとも調整の方針を示すべきだと言う議論もありました。これに関して、市長はどのように考えていますか。はっきり新しい市のビジョンが分かるような調整をするべきだと思うがいかがですか。

 

2.     教育

 

開かれた教育

 

狭山市だけではないと思いますが、開かれた教育を標榜し、学校を地域と融合していくと言う努力が近年盛んに唱えられてきました。象徴的に、狭山市は入間川小学校を作り、学校の門をなくし、学校内にコミュニティーが使えるように場を作り、物理的にも学校と地域が融合するような実験的な取り組みもして、それなりに成果も上がっているように見えます。一方、民間の、地域の人の目を学校教育の場で生かすという意味での評議員制度の導入を目前にしたときには、狭山市では法律の制定を待つまでもなく地域懇談会を立ち上げ、法律制定後速やかに学校評議員制度に移行させました。地域とともに子供を教育するのだという事であったと思います。

 

さて、その後、池田小学校事件があり、学校の安全には非常に神経質になるようになり、一度は開け放していることもあった校門も児童生徒が在学中は閉めることが常態となりました。校庭開放にしても、中学生の出入りを禁止した小学校もあり、保護者の不満の声をきいたことがありました。

 

教育長にお尋ねしたい。今学校を開く事、地域と連携して教育力を高めていく努力はどのようになされているのですか。開かれた学校という意識が一時期に比べ、後退しているように思われるがどうかんがえていますか。

 

次に、学校評議員の活動とその成果について伺いたい。学校評議員の活動が一般市民にはよく見えないと言う意見が次世代育成支援計画会議の中でなされました。私も、実際そう思っています。地域懇談会の時は、地域懇談会の会議まとめのような文書を保護者に配布したり、地域に知らせたこともありましたが、最近はそういう文書があるかどうかも分かりません。今、学校は評議員に何をしていただいているのか。また、校長は評議員会議などをどのように持っているのか。そこでは、どんな意見があるのか、その意見に対して学校はどのように対応したのか、学校評議員の意見が地域の子供達のためになっているのかを伺いたいと思います。

 

評議員の構成についても伺いたい。メンバーが再選されている例が多くなってきています。審議会などの女性の割合を少なくとも30%という指針があると思うが、女性のメンバーが一人もいない学校もあります。学校評議員が名誉職化してはいけないと私は考えています。どのように人選しているか、人選の方針を伺いたい。

 

学校給食

 

2年ほど前、給食に箸とスプーンが配られるようになりました。先割れスプーンが不評だったので、よい施策だと思っています。さて、その箸の材質がとてもかびやすいという苦情があります。私も子供の箸をできる限り一生懸命あらわせたつもりですが、かなり早くカビで黒ずみ使えなくなり他の箸を買い与えました。箸の材質に関して、今どうしているか伺いたいとおもいます。また、箸入れも洗いづらくカビが着く時があり小学生には汚れを取りにくいのですが、これは抗菌性であるかを伺いたい。

 

学校給食センターの立替が計画されている。PFIの調査も始まっているが、その進捗状況はいかがですか。調査ではどのような事なアセスメントをするのか。その結果はいつ出るのか。事前にどのくらいの規模の給食センターを予定し、いかほどの予算で作るつもりなのか。

 

私は、合併が行われれば、そのときに給食センター方式を少なくとも小学校においては廃止し、入間市のように、自校方式に切り替える事を提言したいと思います。給食の自校方式は長年議論され、望まれてきた方式です。勿論いくつかの小学校では校舎内に建設する余裕がないかもしれない。そのときは校庭に建設。又、校庭内の敷地に余裕がないときには、1,2校まとめて給食室を作っても良いと思います。1校あたり3億円かかるとしても、16校で48億円、もしかしたら、センターを2つ作るより安上がりです。その上、栄養士は県からの派遣もあるので、全体の調理を委託すれば、その後の管理も決して費用が過剰にかかるとも思えません。

 

合併を行うとした時、特例債がここに活用できれば、債務も少なくすみ、PFI方式にするより財政の負担も軽いかもしれません。市民説明会に出席して思うのですが、行革について、財政について市長から話はありますが、私には新市のビジョンが見えないし、少なくとも目玉と言える新しい事業企画がなされているとも思えないのです。ですから、私は、小学校の給食の自校化または準自校化は多くの市民に大変アピールする合併の新しいビジョンに思うのですが、市長または教育長の答弁を求めます。

 

3.     男女共同参画による子育て

 

私は男女共同参画による子育てが今後の子供を健やかに育てることになるのを信じて疑いません。男女共同参画社会の早い到来なくしては、日本は将来国際社会で競争力を失い活力のない社会となってしまうと言うのを、先月女性政策の先進国、ニュージーランドを視察した際、痛いというほど感じて帰ってまいりました。職場のみならず、家庭においても男女がお互い自立し子育てを対等にシェアーできる関係の男女共同参画社会が望まれます。男女共同参画による子育ての実現をどのように考えているか市長に答弁をお願いしたい。

次世代育成支援行動計画

子供を健全に育成するためには、男女共同参画社会の形成を進めなければならないわけで、政府は地方自治体に次世代育成支援行動計画の策定を義務付けました。

 

また、子供の育成を健全にするための男女共同参画社会の実現には、労働環境の整備が望まれると言う事もあり、政府は次世代育成支援行動計画を、特定事業主として自治体に作成する事、また301人以上の企業に対してもその作成を義務つけました。それぞれ計画作成の準備は進められていると思いますが、その進捗はどうなっていますか。

 

市民のニーズ調査の結果も踏まえ答弁を部長におねがいしたいとおもいます。民間企業での男女共同参画を進めるためにも必要な301人以上の事業主にたいする行動計画の作成に対して、市はどのように援助するのか、その点も重要ですので伺いたいと思います。

 

男女共同での子育て施策・・・特に父親の子育て参画を支援するために

 

母親と対等に育児をシェアしろと言われても、父親には育児に参画の機会をなかなか持ちにくいのが現状です。狭山市では、マタニティスクール、両親学級などのよい施策をしていますが、私は、もう少し両親で子育てをする環境を整えるべきだと思っています。

 

たとえば、マタニティスクールの内容を妊娠中の母親の健康や生まれたばかりの赤ちゃんの世話などについては、父親も母親と共に学ぶべき点です。現在では父親も歓迎という視点で講座が組まれていますが、両親がともに学ぶ講座に組み替え、出産準備学級とでも名称をかえ、両親学級と合併してもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

乳幼児の健康診断があります。私は、父親もやはり参加するべきだと思います。特に3歳児頃になれば、ことばの発達の遅れなどによって知的な遅れも顕著になってきます。両親がそろって対処したりする事も多くなるのですが、なかなか難しいこともあります。他の多くの子供を見ることにより、両親ともに我が子への理解も深まります。少なくとも、健康診断の1回は土曜日か日曜日にして、男性も来安いようにするのはいかがでしょうか。また、働く女性も多くなり、母親にとってもやはり土曜、日曜日が都合のよいようになってきています。

 

父親手帳について導入を願いましたが、かなっていません。私は、母子健康手帳とともに父親手帳を配布する事をもう一度提案します。また、これを用いて、出産準備学級を進めるテキストにするのもよいと考えます。

 

 ちなみに、新潟県上越市の父子手帳の内容は、1ページ目はお腹の赤ちゃんへのメッセージとしてお父さん、お母さんが妊娠を知った時どのように思ったかを書くことです。次にはマタニティダイアリーで妊娠月数によって妻の体の変化と夫のサポートをどうすればよいかと言う記載になります。その後は、妻への思いやり、パパママ教室など受講記録、出産のプロセスと夫にできるサポート、育児(沐浴、ミルク作り、オムツ変え)、お母さんにも休暇を、父と子で行くスポット、お父さんと子供のあそび、働く女性と男性の育児、など盛りだくさんです。

 

ここには、妊娠中、出産後、母親が父親に知っておいてほしいこと、父親が知っておくべき事などが丁寧に編集してあります。私は、既製品の子育て手帳よりも自前で特に父親が母親の妊娠や出産をサポートし、育児参加を容易にするこの父子手帳をつくるべきだと思い再提案します。

 

妊娠出産時だけでなく、子育てには困難が伴います。そこで両親がともに参加できる子育て講座をもっとすることを提案したいと思います。母親の気配りだけでは子育てはできません。子供の誤飲に夫が気軽においていたタバコの吸殻を食べる事があるといいます。また、タバコの火のやけどなども起きます。父親だけではありませんが、子供を車に置きっぱなしにして死なしてしまうと言うことが毎年報道されています。子育ては親育てです。一方の親だけの講座ではなく子育て講座は両親そろって出席できるようなものにしてほしいと思っています。乳幼児情報センター、公民館、そのほかの場所での子育て講座があります。どのような工夫でなされているのか、もっと母親の子育て支援という視点だけでなく両親そろっての子育て講座を増やせないかいかがでしょうか。

 

どんなに父親ががんばってもやはり母親の負担は大きいものです。「お母さんにも休暇」をと言うのはもっともなことです。それがない時、母親はいたいけな子供への虐待に走ったりします。子育て情報センターをはじめ、支援ルーム、児童館、公民館などで父親と学齢前、小中学生のしのためのプログラムを作ってもらえませんか。また、父親、母親が子供を交えて参加する事業を企画してもらえないでしょうか。

 

私はある人に、人口問題研究所が試算した狭山市の人口推計を見せてもらいました。それによると2030年までに狭山市の人口は20%ほど減り13万人ほどになる、子供の人口は半減以下になるといわれています。少子化対策の意味もあり、子育て支援をきちんとしなければ、この推計人口までも達成できないかもしれません。狭山市は高齢化も急速に進んで行きます。私は大変このことを懸念しています。そして、子育て支援を真剣に取り組むべき狭山市の最重要課題だと思います。真剣に子育て支援策を考えていただく事を祈念し、また、人口減についての懸念を表明し、私の1回目の質問を終わります。