(1)高齢者福祉
(2)経済
(3)第3セクター
(4)非行
議長のお許しをいただきましたので、8番 高橋ブラクソン久美子が一般質問をいたします。
多少通告の順番どおりの質問でありませんが、お許しください。
アエラ11月24日号をお読みになった方はいらっしゃるでしょうか。「大量介護退職時代、独身王子のリスク」という記事に目を留めた方は、私だけではないと思います。独身貴族で優雅に暮らしていた男性は、母親にかしずかれ王子様のように衣服が整えられ、食事もすることが出来、自ら何もしないでも生きてくることが出来ました、男性が4,50歳台になるまで。親が元気で介護の必要なない時まで。
男性の未婚率は30歳代後半で30%、40歳代前半で22%だそうです。いまや同居している介護者の4人に一人は男性だそうです。親の介護、それに自らの老後の介護を考えて、アラフォ婚、アラフィ婚といわれるように、アラフォ・40歳前後、アラフィ・50歳前後に焦って婚活・結婚活動に励むという現実があるそうです。
4,50歳代になると独身男性にとって親の介護はとても問題になっているにもかかわらず、あえて考えないようにし、「未来のお嫁さん」を親の介護のあてにしている人ですらいるという話がありますが、夫の親の介護のために結婚しようという女性はとても少ないのが実情でしょう。その結果、後15年もしたら、女性が育児休業を取るよりも男性が介護休業をするほうが多くなるという予測があり、「介護退職」を選ぶ男性が大量に出るのではないかと恐れられています。
私はこの1年間、狭山市にある老人福祉施設、老人保健施設等を視察しました。すなわち、5箇所の地域包括支援センターを始め、ほとんどすべての特別養護老人ホーム、デイサービス、グループホーム、ケアハウスを見たことになります。その折には、現場の課題などを聞くことも多いのですが、デイサービスでの課題のひとつが、誰も人がいない家に老人を帰さなければならないという事でした。もうひとつは、デイサービスの時間が短いので仕事に出られないというのでした。介護者が独身男性のケースも多くなっており、仕事の都合でデイサービスからの時間に合わせて帰宅できないのです。そして、認知症が入ったとき、一人で留守番をさせるのも怖い状況では仕事をやめざるを得なくなってしまうのです。
親の介護で仕事を辞めた場合は、当然、親に資力がなければ生活が続かないのです。高齢者虐待で虐待する人で一番多いのは息子だといわれています。言葉や暴力での虐待だけでなく、親の年金を使い込むという経済的な虐待も取りざたされています。
今までは育児と仕事の両立支援が言われてきましたが、介護と仕事の両立支援を真剣に考えなければならないのです。
次の課題は、高齢者の一人暮らし、高齢者世帯の介護の問題でしょう。高齢者が一番に相談に乗ってもらえるのは地域包括支援センターです。視察を通して、センターがどんどん役割を増している事に気がつきました。地域で頼りにされる存在になりつつあります。しかし、地域によって相談件数にも、対応にも違いがあるように思います。相談員の数は法律に定められていますが、それでは手が足りないというセンターがあると思います。また、センター場所については設置まで時間がなかったせいもあり、わかりずらかったり、駐車場がなかったり、高齢者が立ち寄り憎い場所にあるセンターが多いという印象でした。一番立ち寄りやすかったのはスーパーに隣接する狭山台地域包括支援センターでした。私は、出きれば、入曽地区、新狭山地区や広瀬地区のセンターをショッピングセンターやスーパーの中に置くことが一番良いのではないかと思っています。
介護予防や介護の問題はまだまだあると思います。この前とったアンケート調査にもたくさんの課題が載せられていました。今は第4期の高齢者福祉計画・介護保険事業計画の作成の最中です。そこで伺いますが、
(1)3期までの計画の取り組みの状況と現状の主要課題
(2)4期計画の基本的な考え方と方向
(3)4期の基本計画中、介護サービス、施設整備など
どのようにしていく考えですか。
特に、男女を問わず、独身者の介護支援、または介護と仕事の両立を図れるように
するためには、どのような施策を考えておられますか。
私は、独身者の介護支援、介護と仕事の両立を図れるようにするためには、今後もっとグループホームや特別養護老人ホームなどの施設を増やす計画も必要だとおもいますが、それだけでなく小規模多機能型居宅介護施設が有効に利用できるのではないかと思います。小規模多機能型居宅介護施設は、「介護が必要となった高齢者(主に認知症高齢者)が、今までの人間関係や生活環境をできるだけ維持できるよう、「通い」を中心に「訪問」「泊まり」の3つのサービス形態が一体となり、24時間切れ間なくサービスを提供できるのがその大きな特徴」の施設です。 訪問ケア、日中ケア、夜間ケア夫々に人員を固定配置しないことや、夜間ケアは実情に応じた居間や静養室をパーティションで仕切る形態でも可能などの、弾力的な運営、経営ができるようです。狭山市は現在この施設はありません。私は、東松山市にあることぶき苑を視察しましたが、グループホームと一緒に施設を作っていました。東松山市では4施設を作る計画があり、設置予定だそうです。狭山市では、3期で計画されたこの施設が経営上難しいらしいから出来なかったという事でしたが、厚生労働省の統計を見たら飛躍的に数を増やしている施設です。3期に出来なかった1箇所を4期に作るというのではなく、先ほどからの課題もよく吟味した上、適正な施設計画を作ってほしいと願います。この施設の設置計画は4期ではどのようになっていますか、特に伺いたいと思います。
リーマンブラザーズの破綻に端を発した全世界的な経済危機で、株価の下落だけでなく、円高が進み、実態経済の悪化が問題となってきています。狭山市においても、自動車産業の落ち込みが取りざたされ、狭山市にある自動車工場では期間工の契約打ち切りをすると報道されています。私はこれらの情報を新聞から読み知ったのですが、市長は事前にこの自動車製造会社からどのような情報を得ていたのかと、素朴な疑問を持ちました。この自動車製造会社は狭山市の命運を握っているともいえる会社です。税収面だけを言うのではありません。すべての施策で影響を受けます。今回質問した高齢者福祉計画・介護保険事業計画の変更も予期せざるを得なくなるかもしれません。学校の統廃合の計画も変えざるを得なくなるかもしれません。後期基本計画への大きな影響すら考えられるのです。
ですから、私はこの会社とのつながりは他の企業とのつながりに増して狭山市には重要であると思います。私が願うのは、狭山市が情報を早く取り入れ、対応を機敏にしていくことです。どのような時にでも、意思の疎通が出来る体制を持っていることです。
だから、伺います。市長は工場長ならびにこの会社社長との面識はあると思いますが、定期的な会談などを持っているのですか。会社の動向などをどのように情報収集しているのですか。狭山市の幹部がこの会社の動向を新聞でだけ知りうるというのでは、施策の対応に遅れが出るのではないかと思うのです。今回、期間工の契約止めの情報をうけ、どのような対応を誰が取ったのか、取れるのかを明らかにしてほしいと願います。
次に、このように経済の悪化が取りざたされ、雇用に不安を生じている状況で、狭山市はどのような手立てを打つのかという事です。今年から企業誘致課を商工課に取り込み商工業振興課としました。不況であればあるほど、力を入れなければならない分野です。現在ある雇用すら守れないかもしれないのに、新たな雇用の創出なんて考えられないじゃないかという人もいるでしょう。しかし、雇用の状況が悪ければ悪いほど新たな雇用が必要となるのです。
現在の自動車産業はなくなる事はなくても、化石燃料を使わず新たな燃料による自動車の開発がすすむはずです。例えば燃料電池やソーラー電池などは今後の需要が考えられます。狭山市は十分企業に対しての分析をし、新たな産業の誘致を考察すべきです。政務調査費を使い、亀山市を視察した報告を読みました。液晶画面の工場誘致に関してです。不況の際に、座して企業の相談を受けるという姿勢では、新たな雇用を喚起する事は出来ません。新たな雇用の創出には、今後の産業に行方を自動車産業とともに考え、どんな風に企業が技術を刷新していくかをアンテナを張り確かな情報を得、企業ともども考えていく姿勢と体制が必要だと私は考えています。これについて狭山市はどのように考えていますか。
私は、平成18年9月議会で狭山市の第3セクターである財団法人狭山市施設管理公社について、次のように述べました。「今まで委託されていた事業も、指定管理制度の中で1者随意契約が維持できるわけがありません。早い時期での体質改善が必要なのはだれにもわかることです。この法人も解散し、運営ではなく、経営ができる体制づくりをするべきだと思います。」
今議会で指定管理者の契約の案件が出され、其のうち、智光山荘など今までは狭山市施設管理公社が指定管理していたいくつかの施設が他企業により指定管理される事になり、子ども動物園だけが狭山市施設管理公社の指定管理となりました。私が2年以上まえに危惧していた事が現実になったのです。平成18年9月議会では池の谷総合政策部長は、「施設管理公社につきましては、市からの財政的・人的関与のあり方の課題もあることから、指定管理者の受託状況等を勘案する中で、早い時期に結論を出したいと考えております。」と、答弁しています。動物園の指定管理の事業しかなくなった狭山市施設管理公社を狭山市としてどうして行く考えなのか、伺います。
狭山市は全額出捐している公社の命運を握っています。仕事がなくなれば、派遣していた職員は役所へ引き上げる事になります。また、事業が縮小すれば、公社の職員の処遇も考えなければなりません。公社の事は公社がきめるといいながらも、理事長は副市長である以上、市がそれらについて知らぬ存ぜぬでは道義上申し開きが出来ないと私は考えています。狭山市として、今後の職員の処遇をドウ考えているのですか。私は、希望者には特別枠で役所への途中採用枠を設け、しかるべき適正検査に合格した人に関しては途中採用をしていくことを考えるべきだと思いますが、いかがですか。
私は教育について、毎回のように質疑し質問をしております。9月議会におきましても、決算質疑で非行について状況をうかがったところ高野学校教育部長からは「、非行の状況、いわゆる問題 行動の発生状況でありますけれども、狭山市全体に教育に影響を与えるような重大な事故等は昨年は発生しておりませんが、個々においては非常に変化の激しい 時代の中にあって、家庭環境等も非常に厳しいご家庭もあります。そういう中で生活が乱れ、指導を要する児童生徒も少なからずおります。」との答弁でした。其の時は、少なからずとは言いようだなあと思いながら答弁を伺いました。といいますのは、私は狭山西中学校区内に住んでおりますが、昨年度には学校内外の問題行動や非行行動について、さまざまな人から話を伺う機会があり、非常に心を痛めておりました。はっきり言って昨年度の西中学校の卒業式は、以前荒れていたといわれた時以上に統率の取れていない状態で驚きました。西中の保護者に寄れば、それでも予行の際よりましだったというので、2重に驚いた覚えがあります。
其の上、この頃毎年のように狭山市在住の中学生が、強盗だ、窃盗だと刑法犯罪で逮捕されています。大人だったらば、懲役になるような犯罪です。小学生時代から顔見知りの子どもがこのように逮捕される事態には、大人として何とかできなかったのかと胸が痛むような思いです。
実際、非行の状況はドウなのですか。狭山市において、犯罪、触法、虞犯少年の数などは把握できているのですか。この数年間の状況を詳しく答弁してください。
さて、実際、罪を犯したことのある児童生徒が学校にいる状況も出ていると思います。学校はそれらの少年に対し具体的個別的な支援をすべきですが、逮捕されたような犯罪少年本人にどのような対応をしていますか。単に学校が指導するだけでなく、さまざまな支援を多くの機関と手を携えて構築することがなければ、このような少年が立ち直る事は難しいのではないかと思います。
また、何の支援策もなくこれらの少年を放っておく事は、他の児童生徒に悪影響を及ぼす場合もあるかもしれません。同じ学校内にいる児童生徒は事件について噂を聞いて知っているものです。事実ではないのに面白おかしく話が作られている事もありえます。事件が起きた後、それらの非行少年を学校で教育を受けさせるときに、学校は他の児童生徒に対しどのような取り組みで対応しているのですか。また、保護者に対してはどのような対応をしていますか。
今までも学校は非行をさせないために努力をしてきました。学校内のことだけでなく、学校外の非行についても日本では伝統的に学校の責任を問いますので、学校は非行問題、生徒指導には力を入れてきたはずです。しかし、非行は家庭の状況とも大きくかかわり個別に問題があるので、非行の原因分析などを積み重ねてこなかったのではないかと思います。しかし、私は、今後非行を防止し、減らすためには、一つ一つの事例をデータベース化し、原因分析ののち、何に対処すれば大きな問題に至らなかったという成功例や、または失敗例を積み上げていく努力が必要だと思います。
30年近く前、私はアメリカで、スクールカウンセラーが生徒の問題解決ためにコーディネーターとなってカンファレンスを開き本人、親、教師などと解決策を考えていくという事を学びました。カウンセラーはさまざまな事例を知っていて、解決策を講ずる助けをするわけです。実際狭山市にもスクールカウンセラーはいますし、生徒指導主任などはどの学校にもいるわけですから、きちんと事例の原因分析をし、またそれに対しての経過や経験を積み重ねていけば、問題を起しそうな児童生徒への対応策や非行を起した後の児童生徒や其の家族、または学校への対応策が考えやすくなると思います。狭山市ではそれらをどのようにしているのですか。
開かれた学校については、何度となく伺っています。非行問題は学校だけで解決する事は不可能に近いと思います。これは、学校が問題を抱え込む事なく、虐待防止体制と同じような体制で非行問題に取り組まなければ解決できないように感じます。家庭の問題は地域にも関係します。個人情報漏洩には気をつけながらも、行政が絡んだり、警察にもお願いしたり、地域の民生委員主任児童委員さんなどでチームを作らなければ、非行の防止も非行からの立ち直りもないのではないかと思います。非行にかんして、学校と地域との連携をどのように図っていかれるか伺いたいと思います。
以上で1回目の質問とします。