20099月議会一般質問原稿

1.政権交代  2.施設計画 3.子育て(保育サービス)

 

議長のお許しをいただきましたので、8番高橋ブラクソン久美子が一般質問をさせていただきます。

 

1.  政権交代:狭山市の対応と交代での狭山市への影響

 

830日、政権交代をかけて衆議院総選挙が挙行され、民主党が次の政権を担う事になりました。このような選挙での政権交代は革命的な事態だといわれ、政権交代によって日本がどうなるかと期待で一杯です。

自民党は景気が良くなれば国民の生活は良くなるといい、政局より景気といい続けてきました。しかし、いざなぎ景気を超えると言われた平成の景気は一部の企業や金持ち達を潤したかもしれませんが、多くの国民にとって、この景気で生活が良くなったというには程遠い実感でした。自民党が経済界と組んで景気回復を進めても、国民生活は良くならないのだと国民が自民党を見限ったというのが今回の政権交代の意味だと思っています。

 

民主党は選挙で実に見事に非自民党的なマニフェストを国民に提示し、自民党との違いをアピールしました。子ども手当て、暫定税率の廃止など、耳に優しい政策が満載されています。これらの背景に見えるのは、自民党とは決定的に違う政治に対する姿勢だと思います。民主党は、直接、国民にお金を渡す方法での所得の再配分を考えているようです。政治で、直接国民生活を良くする方法を模索するという考え方です。

今回、政権交代が現実となった現在、民主党のマニフェストが実行されるとき、地方自治体にはどのような変化がもたらされるのかを今から考えておかないでは、これからの狭山市の運営に大きな支障が出て気やしないかと思っています。基金の凍結や、この前通過したばかりの国の補正予算の執行すら凍結というニュースが連日、新聞をにぎわしています。今から政権交代による影響を想定しなければ、来年度の予算すら組むのが難しくなりはしないかと思うのです。そこで伺います。

 

1.  民主党マニフェストによって、狭山市の施策への影響をどのように考えていますか。

2.  現在行っている事業の補助金等に対する影響は、どのように推測していますか。

3.  来年度予算編成上の直接的な影響を、どのように考えていますか。

 

まだまだ、新しい政権が出来上がっていない現状で推測したり考えたりするのは、大変困難であろうと思いますが、政権交代が現実で、国の対応が今までと変ることを避けて通れない以上、そのことを想定して事態に備えるのも一種の「危機管理」と私は考えております。真摯な答弁をよろしくお願いします。

 

2.  施設計画

 

この秋、狭山市は市制55周年を迎えます。豊かな財政に支えられ、狭山市は他市以上にさまざまな施設を市民に提供し喜ばれてまいりました。しかし、それらの施設も老朽化が顕著になり、建築基準法の改正などで、耐震強度に問題や、躯体そのものの修理が必要なものが増えています。また、少子高齢化がすすみ、狭山市の年齢による人口構成が大きく変ってきていることで、施設の役割が変り、施設そのものの高齢化対策や、統合などの施設の整理を考えざるをえない事にもなりました。狭山市は、そのために、施設の更新や改修計画を立てることにしています。そこで伺いますが、

 

1.  現在までどの施設についてどのような検討を行っているのですか。

2.  今年は後期振興計画の策定に取り掛かっています。その際には施設の更新・改修計画が問題となると思いますが、今後の施設更新・改修計画は市民参画で行う検討会を設置する事を提言しますが、そのお考えはいかがですか。

3.  この計画は、財源の問題が不透明であることから、なかなか策定をするのには勇気がいる事に思えるのですが、財源問題があるからこそ、早くに制定しその財源確保を確実にしなければならないと考えますが、いつまでにこの計画を策定するのでしょうか。

 

次に、狭山市の施設の中のひとつである智光山こども動物園について伺います。

 

私は動物園が好きでたまりません。最近の動物園は新しい展示で知的好奇心を十分満たしてくれます。ワクワクしながら、動物を観察することが出来ます。動物園では、動物とふれあい、動物の生態をしり、いのちの大切さを学んだり、楽しいひと時を過ごすことができます。動物園には、貴重なさまざまな動物が保護されてもいます。

 

狭山市の子ども動物園は開設されてもう20年になります。残念ながら、この施設も老朽化が始まり、動物達の種類も固定化し、目新しいものが少なくなってきてしまいました。今、動物園に必要とされているのは、こども動物園に新しい風をもたらす事ではないかと考えます。

 

まず伺います。

 

1.  狭山市は智光山こども動物園の意義と意味をどう捉えていらっしゃるのでしょうか。

2.  智光山こども動物園の施設に対して、

●施設の改修の考えはお持ちでしょうか。今は行動展示が一般化され、それぞれの動物に特有な行動を人間が見えるようにする工夫がなされてきています。狭山市においても、もっと積極的にすべきだと思います。サル山の遊具のあり方、マーコールの展示のしかた、そのほか、小動物や小獣舎の動物達の展示、鳥の展示などに、もっとお金をかけ、来園者にアピールできるものであってほしいと願います。

それに、子どもの動物の姿はほほえましく、行動する様子も興味深いものがあります。最近はフラミンゴの繁殖も少なく寂しく感じるものです。繁殖させるにはそれだけの施設も必要とされるでしょう。ネットもかけるべきかもしれません。

 

これらについて、どう考えていますか。

 

それにしても子ども動物園に必要なのは、学習するに充分のスペースです。この前、昆虫展を見てきましたが、たくさん興味深い展示品があるのですが、あまりにも部屋がせまく、中に10人も入れば催し物を見ることが出来ない状態でした。せめて、1クラスや2クラスが入れる学習館が必要ではないでしょうか。今の所では、映画ひとつ見ることが出来ません。雨が降っても、雨宿りすらする場所がないのが子ども動物園の実態です。私は今回の質問の為に、政務調査費を用い、秋田の大盛山動物園、盛岡市動物園、多摩動物公園を視察しました。どの動物園にも学習館があり、展示会や講演会や映画や作品展などに有効に利用していました。キチンとした学習館を設置すべきと思いますが、いかがですか。

 

3.  私は、展示されている動物が固定化されて、目新しいものが少ないといいました。そこで、新しい鳥の導入を考えられてはいかがでしょうか。皆さんもご存知のように子ども動物園は日本産種の鶏のコレクションがあるように、鳥類が多く、それがこの動物園の特色のひとつです。そこで、得意な鳥の飼育に、トキを取り入れてはどうでしょうか。

そう思い立ってから、佐渡の日本トキは飼えないかと政務調査費を用い、佐渡のトキ保護センターに視察に行きました。聞くところによると、朱鷺は154羽いて、鳥インフルエンザ対策のために分散飼育をしようというところらしいのです。すでに、日本海側の出雲市、石川県、長岡市などにトキを分散する計画もすすんでいるのだそうです。次に、秋田市の大森山動物園にはトキ舎があり、トキが飼育されているという事でトキの飼育を見にいきました。すると、ほかの鳥同様に飼育されていました。また、飼育の仕方は多摩動物公園に有名な鳥の飼育員さんがいて、佐渡のトキの育て方はこの方から教わったと聞き、この方に飼育について詳しく伺ってきました。現在では、トキのためにはドッグフードのようなトキ用ペレットが開発されていて、それを与えているそうです。もちろん、トキはどじょうが好きですが、ワカサギなども食べる事が分かりました。トキは南国産のものも多く、日本朱鷺も雪国だけに生息するわけでなく、昔は関東にも生息していたそうです。

視察で分かったことは、野生の日本トキは一度絶滅したこともあり、中国からいただいたトキを繁殖させ数を増やしている段階で、かなり神経を尖らせて育てている事ということです。しかし、もう飼育方法は確立されており、飼育そのものは狭山市の子ども動物園でもできるといわれました。だからこそ、トキの導入を考えてもいいのではないかと思うのです。勿論、日本朱鷺に関しては、すぐに導入は無理で、ほかのトキの飼育を先行させなければならないという事です。幸い、多摩動物公園には多くの種類のトキが飼育されていて、飼育環境も似ていて、いただく事は可能です。飛んでぶつかると頭を怪我するから、ゴルフのネットのようなものでゲージを作るといいとアドバイスもいただきました。工夫次第ではそうお金をかけずにゲージも作れそうです。ですから、まずはトキを飼い、何年か後に日本朱鷺を導入し、関東近辺の皆さんに見ていただけるようにしたらどうでしょうか。

 

4.  狭山市に動物園ボランティアや動物園友の会を導入する考えはいかがでしょうか。実は私は今回だけでなく、多くの動物園を視察しております。そこでよく聞くのはボランティアさんが動物園を支えているという事なのです。案内のボランティア、施設の整備や花壇の手入れ、標識を作ったり、学習材料を用意したり、講座を開いたりとさまざまな動物園がさまざまなボランティア活動をしていました。この方々は動物園のサポーターとして動物園を盛り立てているのです。お金を出してまで友の会で何をするのかといえば、普通の入園者としては見れない動物の実態を観察したりする特典を貰ったりしているとか。この方々も動物園のサポーターです。動物園ボランティアを導入し、友の会を組織していく事のお考えをお聞かせください。

 

5.  スポンサーシップについてお聞きします。動物園の支出の多くは狭山市の持ち出しです。入園料が安く抑えられている分、入園料だけですべてが賄えるはずはないのです。金銭面のこともあり、施設の改修や新設、展示方法をなかなか変えられないのだと思います。こういう場合は、他に収入を得る方法を考えればいいのだと思います。他の動物園でよくしているのは、えさ代を寄付してもらっていることです。入園者がえさを買って動物にやるやり方や、お金を送ってその動物のえさの支援をするというやり方の所もありました。寄付の額にしたがって、スポンサーの名前の看板の大きさを変えていたところもありました。特定の動物だけでなく、動物園への寄付も集めていたりしました。小さな寄付の積み重ねで、秋田の場合年間400万円ものえさ代が集まるという事でした。直接スポンサーという事でないかもしれませんが、民間団体の助成金をいただくのも良い事です。宝くじからの助成金は多くの動物園で活用されていました。スポンサーをあつめることはいかがでしょうか。

 

3.  子育て支援

1.  まず伺います。前期の次世代育成計画が今年で終了するのに伴い、後期の計画作成がすすんでいるようですが、その進捗状況はいかがですか。また、昨年とったアンケート調査の結果が出されていますが、そこから見える問題点と後期次世代育成計画でも施策への対応はどうなるのでしょうか。

2.  保育所について伺います。政務調査費を使い、上越市に視察に行きました。上越市は20万人都市ですが、公立保育所がなんと50園もありました。そして市内の60%の子どもが保育所で育てられている事をしりました。田舎では女性もよき働き手として期待されています。都会に近い狭山市でも今では共働きがとてもおおくなりました。これからも増え続け、もしかしたら上越市のように子どもの60%は保育所に行くようになるかもしれません。

それでは伺います。

保育所の需要の大きさは今更私が言うまでもありません。昨日もすべての新聞が待機児について大きくとりあげていました。狭山市の場合も、もう定員の枠を超えて入所させるという段階をこえています。とにかく、定員増が急務です。そこで伺います。待機児対策として、民間保育園で新設などに取り組むといってきましたが、その状況はいかがですか。

 

先の議会では、複数の議員から市立幼稚園の問題が取り上げられ、私立幼稚園だけでなく保育所とも連携して、今後のあり方を協議する事を要望されています。実際、狭山市のように待機児が多く、保育所がすぐにも新設されるのが困難な状況で、教育委員会として幼稚園の認定子ども園化を推し進めるべきだと思います。今まで、市立幼稚園の預かり保育をするにことを要望しても、民間幼稚園の経営を圧迫するとして、狭山市では行ってきませんでした。幼稚園が3年保育をしないこと、預かり保育をしないことなどが保育所の待機児の数を押し上げてきた一因となっているとも思えます。市の行政は誰の為に行っているのですか。確かに、民間の経営を圧迫してはいけないけれど、市のサービスは、市民のニーズを無視してはならないはずです。

まずは市民の利益を優先して、市立幼稚園を認定子ども園にすることを検討してほしいのですが、お考えをお示しください。

 

保育所のサービスの充実で特にしてほしいのは、土曜日の保育時間の延長です。狭山市は保育を望む人の半数は市立保育所に入所せざるを得ません。好むと好まざるとによって仕方がないのです。しかし、仕方がない状況で、市立保育所の土曜保育だけが未だに1時半までというのはいかがなものでしょうか。土曜日の半ドンは、昔の教員や公務員の勤務の為にあったようなものです。しかし、今の保育所はそういう人の為にだけあるのではありません。土曜日も日曜日も働かなければならない人も多いのが現状でしょう。サービス産業や福祉産業で働く人も多いのです。母子家庭でせっかくヘルパーの資格を得たのに、土曜日の勤務が駄目なので働けないという人の声を聞きました。土曜日の保育を少なくとも6時まで伸ばせれば、仕事になります。仕事につけます。民間に待機児が多い現状で、市立保育所が土曜日の保育時間の延長をすることで民間経営を圧迫するとはいえません。市立保育所も、来年から土曜日の保育時間を6時までにするべきだと思いますが、いかがですか。

日曜日、祝祭日の保育サービスを拡充してください。今、このサービスをしているのは、16万都市の狭山市でたった1箇所です。それも、狭山台にある私立保育園のみで行っています。聞くところに寄れば、笹井からわざわざ日曜日に狭山台まで送って行っている方がいるそうです。たくさんの預け入れがないから1箇所でというのでしょうが、あまりにも不便だから預けられないというのもあるのです。お商売で日曜日が休めない方もいます。子どもが大きくなれば一人でも遊べるので家に置けても、小さいうちはとても無理です。水富地区や入間川地区、入曽地区に一箇所ずつでも休日保育所を設置してほしいのですが、いかがですか。

病児、病後児保育所の設置を願いたいがいかがでしょうか。この質問を前に、上越市の病児、病後児保育を視察しました。核家族が多くなり、子どもが病気になっても、病気上がりでも保育する人がいない家族が出てきました。上越市ではこのサービスを利用する人は登録が必要だそうで、全体の15%の方が登録しているそうです。病児保育所は22人の定員にたいして多いときでは17人もの保育をしたそうです。ここは子どもクリニックに併設されている保育室です。医者も看護婦も保育士もいます。他に2室の病後児保育所があり、私が視察した日は1箇所は誰も預けられておらず、もう一箇所に2人の子どもが預けられていました。ここには保育士と看護婦がいました。主治医から保育所で預かってもらってよいという連絡表を貰った子どもだけをあずかっているそうで、その連絡表を持っている子どもであれば、いままで拒否した事はなかったそうです。もちろん、本来ならば、病児や病後児は家庭で面倒見ればよいのですが、仕事を持っているときに長期の有給休暇もなかなか取れないし、子どもが何人もいるとその有給休暇すらとってしまい、お手上げという事もあります。また、母子家庭で子どもが病気になってばかりでは、すぐに解雇の対象になります。理想と現実のギャップを埋めるのが福祉であり、病児、病後児保育は必要とされるサービスです。少なくとも病後児保育に関して言えば、前期次世代育成計画に乗っていたと思います。すぐにでもサービスを開始してほしいのですが、いかがですか。

 

最後に市立保育所の経営に関して伺いたいと思います

私は、今回の質問をするために、まず狭山市の全保育所を視察しました。そして、市立保育所があることの意味を痛感しました。民間保育所と市の保育所は同じ保育施設であっても、経営が違う以上保護者の支払いなども含め、民間保育所には市立保育所とは違う独自のものがあります。市立保育所は、ハンディをもつ子供達や複雑なバックグラウンドを持った親達をよくよくフォローしていていました。公立保育所がこれらを担わないでどの保育園がしてくれるのでしょうか。

ところで、市立保育所の祇園保育所を指定管理者制度の導入を考えているという事です。私は、民間の力を借りて行政サービスを行う事をとやかく言うつもりはありません。民間が同じサービスをしているのであれば、民間にその行政でするサービスを代行してもらっても、行政がするサービスに劣るようなサービスにはなるまいと思うからです。勿論、市が責任を持つ、代行権は譲っても監督権はきちんと行使するという前提での事です。ルールはしっかり市が決めておき、それに従い代行をしてもらうのです。特に保育サービスに関してのメニューや入所者の選定に関しても市はきちんと責任を持てば、指定管理者制度の導入も悪くはないとは思います。

 

しかし、ここで、私はある危機感を覚えました。公立保育所へは、直接的な国からの補助金がない状況です。一方、今でも民間への補助金はあります。財政を考えれば、市立保育所の指定管理者制度の導入どころではなく、民間移譲すら考えられるのではないかと大変危惧するものです。そうなっては絶対困ると思うのです。上越市とは違い、狭山市にはたった9園しか公立保育所がないのに、移譲されては行くところのない子供達が出てくる恐れすらあります。この点、しっかり今答弁してほしいのです。狭山市では、保育所を民間移譲はしませんね。どうですか。

 

以上で私の1回目の一般質問を終わります