2009年12月議会一般質問原稿

1.女性の参画
2.障害児教育
3.省エネ

議長のお許しをいただきましたので、8番、高橋ブラクソン久美子が一般質問をさせていただきます。

1.    女性の参画

1979年、国連で「女子差別撤廃条約」が採択されてから30年がたちました。日本は、1985年に「女子差別撤廃条約」を批准し、1999年に日本で「男女共同参画社会基本法」を制定、10年がたちました。

女性はそれ以前から国際的にも国内においても、自らの権利とジェンダーバイアスされた社会の変革を求め、地道に活動を進めてまいりました。1976年に「国連の婦人の10年」が始められ、その最終年の1985年にナイロビ会議が開かれ、2000年に向けて「ナイロビ将来戦略」が採択されました。10年後、1995年北京では「行動綱領」が採択され、2000年にはその実施状況が検討されました。また、1999年に「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約選択議定書」が国連で採択され、日本の批准はまだですが、多くの国が批准しています。

 狭山市もこの女性運動に連動し、1995年「男女共生プラン」を作成、2004年には第2次「男女共同参画プラン」として計画を改定しています。

 しかし、日本において、また狭山市において、「男女共同参画基本法」の制定後のこの10年間はいったいなんだったんだろうという忸怩たる思いです。女性の社会進出などといわれていますが、それは経済不況によって女性が働かざるを得ない状況なのです。女性の非正規雇用の比率は男性以上に高く、派遣労働者やパート労働者は女性が大半だといわれています。多くの女性は、男性の賃金の6割という低賃金で働いています。昨年末の派遣村に女性が来ていたのに、女性だというだけで派遣村に入れなかった人がいました。今まで女性がどんなに派遣きりされても社会問題とされていなかったのに、男性が派遣きりされれば問題とされるのだと、女性団体では徒労感でいっぱいです。

 仕事と家庭の両立などを「ワークライフバランス」などというようになっています。しかし、男性の働き方が変わらず、意識も変わらないでは、家事労働は女性の肩にのしかかり、働く女性は結婚を躊躇するし、結婚した女性は子供を生むことをためらうようになっています。いみじくも、男女共同参画基本法で少子高齢化を見通し、男女共同参画社会の実現が21世紀のわが国社会を決定する最重要課題と位置つけたのは、先見の明があったといえますが、さて、その実現への努力がなされてきたかに関しては、どうしても疑問がのこると言わざるを得ません。

 離婚は、いまだに女性が非難されがちですが、母子家庭の8割は貧困だと言われている状況です。女性高齢者の、特に単身女性の貧困の割合は、男性に比べ年金などが格段に少ないのが実際で、女性は長生きするだけに高齢者虐待問題とともに深刻です。

女性の政治的な進出は、狭山市において10年前、27人中5人も女性議員だったのに、今では24人中3人になってしまいました。政治にはきめ細やかな女性の視点が必要とされているのに、国も地方も女性議員の数が非常に少ないのが実情です。女性が少ない現状では、誰の目にもジェンダーの視点をもった政策を推し進めにくい事は明らかなことです。

 

私は、女性の登用が大幅に改善されることをねがっているのですが、そこで伺います。

1.      狭山市の審議会等への女性の参画状況と、参画促進のため、どんな方策を採っているのですか?

2.      女性職員が少なく、最近は女性の応募も全体の30%ほど、採用は保健師や保育士を除けば30%にも満たない状態です。私は議会調査かかりの協力で、近隣10市の女性の職員採用の応募状況と採用状況をしらべました。そこでわかったことは、狭山市への女性の応募は他市に比べ率ではほぼ最低、また女性の採用状況も近隣では最低水準だということでした。狭山市は女性にとって、他の市に比べ、魅力ある職場に思えないのかもしれません。女性職員を増加させるための方策はどんなことでしょうか。

3.      少ない女性の職員が年々少なくなってしまう感じです。女性職員の勤務年数は男性に比べるとどうなのでしょうか。先の近隣10市との比較では、狭山市のように女性課長が全課長中1%にも満たないという市はありませんでした。ちなみに隣の入間市の女性課長は5人、所沢市20人、川越市12人、坂戸市6人、飯能市4人など、最低複数の女性課長がいて、狭山市のように女性課長が全117人中1人などという市はありません。狭山市役所に有能な女性がいない訳がありません。女性にとって魅力のある職場にするには、女性が正当に評価され、登用されることが大切です。女性幹部職員を増加させる具体案を示してください。

4.      女性の登用といっても、女性が問題意識を持って活動していなければ、しっかりとジェンダーの視点で審議会などに参加できないと思います。女性フォーラムが解散した後、狭山市の女性団体の状況はいかがでしょうか。女性の活動が沈滞化した町では、町全体の活気がそがれてしまいます。語弊があるかもしれませんが、少しくらい“はねた”女性がいる町のほうが、男女とも生き生き楽しく暮らしている町の感じがします。女性の活動をいかに活発にするか方策はいかがですか。

5.      「狭山市男女共同参画条例」について伺います。近隣の市はすでに条例を持ち、それにそった女性政策を行っています。狭山市には計画はあっても、条例はありません。私は、狭山市が女性政策の指針をもっとはっきりと示し、ジェンダーの視点をもって施策を推し進めるべきだと思っています。すでに、条例策定の方針は決まっているのです。その策定への進捗はどうですか。今後どのように策定計画や策定方法はどのようにしていくのでしょうか。

6.      最後に女性の健康について、伺います。私は今年の夏、政務調査費を用い、松江市で開かれた研修会で女性の子宮頸がんについて学びました。子宮頸がんはHPV・ヒトパピローマウィルスによる感染から多く発生するといわれています。この秋には、HPVワクチンが厚労省によって認定されました。子宮頸がんは20代、30代で50%を占めています。前がん状態で治療をすれば円錐切除術で完治するといわれ、前がん状態はHPV検査を施し経過を観察する中で見つかるといわれています。がんになったら、4,5時間に及ぶ子宮切除を必要とし、手術は3から400万円もかかる大手術だといいます。費用対効果を考えると、まず、10代のうちにワクチンを打ち、20代には、ヒトパピローマウィルス検査をすることが有効です。HPV検査は3年に1回するだけでよいとされ、100%の正確度があるといわれ、欧米では細胞検査をやめて、HPV検査だけで子宮頸がん検診にしているということです。HPV検査の補助や、子宮頸がんワクチンの普及対策が必要だと思いますが、いかがですか。

 

2.    障害者教育

障害者は普通のヒトのように暮らしたいと思っています。障害児を持つ親も子供たちに他の子供たちと同じような経験をさせたいと願っています。みんなと同じ学校に行きたい。できれば、自分たちもたくさんの友達を作りたいと思っています。しかし、障害児が普通の学校に行くことのネックのひとつは、学校がバリアフリーでないことです。身体障害者といわれる児童生徒だけでなく、ほかの障害認定をされている児童生徒も身体のコーディネートがうまくできない子供たちも多いのが実情で、学校のバリアフリー化が望まれます。伺います。

1.    学校のバリアフリー対策はどうなっていますか。すべての学校がバリアフリー化することが望まれますが、まず、小中学校のうち、拠点になる学校を何校か定め、バリアフリー化していくことが考えられます。小学校は入間川小学校にエレベーターがありバリアフリーになっています。中学校のバリアフリー化の構想、実施計画を作ることが望ましいのですが、いかがですか。また、今ある特別支援学級、教室などの整備状態と改善策をどう考えていますか。なお、特別支援学級の新設の予定はいかがですか。

2.    新しい教育指導要領が改訂されました。特別支援教育に関して特に交流共同学習が強調されています。私は学習指導要領が改訂される前から、この重要性について言及してまいりました。今回もこの一般質問を前に調査をしてもらいましたが、なかなか進んでいない。後退しているんじゃないかと思うところもあります。まず、この交流・共同学習についての見解をお聞きしたいと思います。

3.    障害児の場合学力をつけるのが非常に困難である場合が大きいのは自明ですが、一人ひとりの障害に配慮をしながらも自立できるように教育をするのが学校の使命です。教科の指導をどうしていますか。特に読み書きは大切ですが、中学校では十分に時間をとっているでしょうか。

4.    障害児に関しても普通児と変わらず進路が心配です。中学校以降、一見多くの選択肢があるように見えるのですが、どのような進路指導をしていますか。そのための準備はどうしているのでしょうか。

5.    狭山市の介助員の確保はどうなっていますか。介助する前には障害や障害児についての研修があるべきですが、どのようにしています。

6.    介助員の要請を元気大学で行うのを提言します。養成講座を終えたヒトには介助員として登録していただき、必要に応じて働いていただけば、介助員が足りないなどということもなくなるし、介助員の質の向上にもなると思います。いかがですか。

 

3.    省エネ対策

地球温暖化対策は国際的にも重要な課題です。日本では、温室効果ガスを1990年度比25%2020年までに削減したいとしています。昨年には省エネ法が改正されました。国を挙げての省エネ対策が始まりました。この改正省エネ法の精神とはどう考えていますか。また、これにより狭山市にはどのような義務が科されることになるのですか。温暖化対策に対して狭山市はどういう見解を持ち、温暖化対策にどう取り組んでいるのですか。今までの取り組みの進捗状況と課題はどうですか。また、課題を克服するためにはどのような施策を考えているのでしょうか。

 

庁舎をはじめ狭山市の公的施設の改修計画が明らかにされました。庁舎の設備改修がなされるようですが、その時には省エネ計画作成がまずいると考えます。庁舎内の省エネ化と省エネ化計画策定をどのように考えていますか。また、そのほかの狭山市の施設に関しては改修計画の中で、省エネ化をどう促進していくのですか。

 

学校でも耐震補強と同時に校舎の改修が進んでいます。その際には省エネ化についても考慮すべきだと思いますが、省エネ化の実現をどのようにしていくのですか。また、学校施設に入間川小学校のように太陽光発電を取り入れるのはどうでしょうか。すべては自家発電でまかなえなくても、一部でもまかなえれば電力需要に対応でき温室ガス削減の一助になるのでと考えます。

 

以上で私の1回目の一般質問を終えます。