2010年6月議会一般質問原稿

 

議長のお許しをいただきましたので、8番高橋ブラクソン久美子が一般質問をさせていただきます。

 

1.  障碍者福祉 相談業務について

 

障碍者自立法の抜本的見直しが喧伝されている昨今です。自立法による制度がようやく整えられてようとしている中、またまた混乱が起きるのではないかと危惧しています。しかし、今ある自立法をそのまま行うには、本人の収入がほとんど無い状況では困難が伴い、父母亡き後の障碍者の処遇を考えれば、改正を望まざるを得ないところです。

 法律が変わり、また変えられようとしている最中で、障碍者もその保護者も制度を熟知するのは困難です。それで、やはり分からないことは相談に向かうしかありません。相談内容は、制度の問題だけでなく、生活、就労、病気についてなど、多岐にわたりっており、すべての問題が混在しての相談ということにもなります。 そこでどこで、どんな相談業務を、どんな方々のために行っているのか、狭山市の障碍者の相談業務の現状を伺いたいと思います。

 障碍者の相談は多岐にわたるのは、障碍が重複しているということにも関係があります。こんな中で、ひとつの障害だけでなくいわゆる3障碍を一元化した相談や、障害に付随する介護関係も含める相談業務が出来ないものでしょうか。

今ある、相談センターは交通の便が悪いところにあります。どの障碍を持つ者でも相談できる就労支援センターですら、駅から徒歩で2,30分もかかり、バスすら通っていません。本人は障碍のせいもあり、公共交通機関に頼らざるを得ません。障碍者の相談業務は駅の近辺、出来れば西口の公益施設が最適ですけれど、さもなければ今後西口の公益施設に移る予定の乳幼児情報センターあとに設置できないものでしょうか。

 相談業務を1元化し、駅周辺に設置してほしいというのは、利便性だけで言うのではありません。今ある相談センターは福祉法人に委託されています。ですから、その法人に属していない本人や保護者にとっては大変敷居が高いものがあるのです。属していれば、属しているで、なかなかその法人についてコメントしにくい面も出てきます。

 ですから、出来れば1つの法人に委託する形ではなく、1元化した相談業務を駅周辺で行ってほしいのですが、いかがですか。

 

就労支援施設について

 

狭山特別支援学校が満員であるのはもう周知の事実で、新しく特別支援学校が所沢に開校されました。ということは、卒業する数多い障碍者の居場所を考えざるを得ません。狭山市内の作業所の定員もそろそろいっぱいになっていると聞いています。今後のために、いろいろな作業が出来る施設や就労場所が必要だと思います。

 そこでひとつ提言があります。 狭山市駅西口地内に、障害者の就労支援を目的とし、障碍者とともに、狭山茶を使った製品をもちい、喫茶店のような場所を作るのはいかがでしょうか。まだまだ開いている店舗もあるようですからそれを借り上げたり、労働センター内の多目的室を転用したりしてみたらどうでしょうか。もちろん、それには労働センターの指定管理者である商工会議所や、お茶の生産に携わっている農協などのコラボレーションによりお店を経営し、障碍者を雇うという形にするのはどうですか。 もし必要ならば、市が援助するべきです。

 この提言は、今狭山市駅西口施設で喫茶店が無いという市民の苦情に直接答えることになる名案ではないかと思います。また、私の大好きな狭山茶のアピールにもなり、狭山市のイメージアップの一助となると思うのです。ロータリー内に椅子がほしいという声も聞きます。また、公益施設が出来る間の期間限定でも良いと思います。

身をもって感じることは、障碍者はだんだん社会から遠ざけられるということです。障碍者の一般就労は、パートタイムですら非常に困難です。そんな中、このようなお店を開くことは、狭山市が率先して障碍者の雇用を促進し、障碍者をまちに受け入れているということの証明になるのではないでしょうか。仲川市長も障碍者福祉には大変ご理解のある方だといわれています。この際、新しい駅前施設に障碍者の活躍の場を設けてくださるようにお願いします。

2.  市内循環バス

 最近、市民と話をしていてきく言葉は、「入間市と合併した方が良かった」ということです。私の住む水富地区は入曽地区同様、入間市に近接しており、入間駅や仏子駅のほうが狭山市駅よりも近い地域が広いのです。入曽地区で、武蔵藤沢駅のほうが入曽駅よりも近い地域があるのと同じです。こんな地理的な状況にもかかわらず、水富地区から入間市駅に行くバスは一台もありません。入曽地区から武蔵藤沢駅行きのバスも無いと聞いています。

「どうして、入間市駅にバスが行かないの?」「なぜ狭山市の循環バスを入間市まで走らせられないの?」といわれ、結局は、「入間市と合併したらバスは走ったかもしれないよね」という結論に至るわけです。もし合併していれば、市内循環バスを、狭山市、入間市という境界なしに走らせるのは簡単だったはずかもしれません。

しかし、合併しなかったといっても、循環バスの路線を隣接市に乗り入れるのをあきらめることは出来ません。埼玉県西武地域街づくり計画・ダイアプランを見てみますと、49ページに「地域内交通については、市内循環バスの利便性の向上や市境をまたがった運行について検討する。」としています。この検討状況はどうなのですか。来年度にはダイアプランが改定されます。狭山市としては、ダイアプランの中で、市内循環バスをどのようにしたいと考えていますか。

特に、仏子駅から笹井経由で入間市駅行き、赤坂や青柳経由南大塚駅行き、入曽駅東急団地経由新所沢行き、入曽駅水野経由武蔵藤沢行きなどの路線は市民が切望している路線だと思います。開設のために、入間、所沢、川越市などと交渉し、実現してほしいですが、どうでしょうか。

現在の市内循環バスは毎日走る路線はありません。いくつかの隣接する市の循環バスを調べたところ、川越には毎日、日に何便も運行している路線があるのが分かりました。すなわち、駅と駅を結ぶコミューターバスと福祉施設を回る福祉的バスの2種類を運行しているのです。運賃の割引を比べたところ、狭山市も川越市もあまり変わらないにもかかわらず、収入の歳出に対する割合は、狭山市が全費用の4%でしかないのに、コミューターバスの運行をしている川越市の場合は16%と4倍もあるのです。ですから、比較的収入はあるけれど営業的には成り立たない路線を、川越市は多少は補填しながらも運行し、相応の収入をあげているということになるのでしょう。

狭山市も毎日運行のコミューターバスを始めるのはいかがでしょうか。たとえば、つつじの団地方面から稲荷山公園駅経由狭山市駅行きのバスは、一度西武バスに営業として成り立たないといわれた路線ですが、市が西武に委託し、コミューターバスを出すのには反対しないのではないかと思います。他にも、青柳から新狭山駅や入曽の東急団地方面から入曽駅の子コミューターバスも必要とされていると思います。もちろん収入ですべてはまかなえないからこそ市が運行するバスですが、その中でも比較的収入が上げられるようなドル箱路線になるのではないかと思います。提言しますが、いかがでしょうか。

 

3.  基本構想、特に人口問題

 人口問題は先日も議会で取り上げられました。私は県内10市の人口動静を平成7、12年と直近の5年についてしらべてみました。狭山市では転出が転入を上回る社会減だけでなく、昨年度からはとうとう死亡者が出生者を上回る自然減も始まり、ダブル減少状況になってきています。狭山市と同じ状況なのは飯能市だけです。これに危機感を覚えないわけにいきません。市はこの減少をどのようにとらえていますか。市長にうかがいますが、なぜ、減少がおきているか、今までの政策についての反省も含めて、考えをお話ください。

 少なくとも出生者が死亡者を下回る状況を改善するには、若い世代の転入をはかり、出生者を増やす政策が必要となります。そのため、若い世代の職場が必要となります。また、住居や子育てに良い環境つくりが必要となります。

そこで、子育てしやすい街づくりに取り組む姿勢について、まずうかがいます。私は、この質問にあたり、子育て支援の状況を調べるために、県内10市を選び、議会の調査担当に頼んで、人口の動向に加え、子育て施策についてアンケート調査を行いました。その結果、狭山市は確かに入間市などに比べて保育所の定員は低いけれども、医療費無料化、窓口払いの撤廃などや、子育てプレイスなどの数など、他の市に勝る施策をしているのが分かりました。決して、子育て支援に手をこまねいていたわけではなく、積極的に支援していたのが、調査から明らかになりました。税収にかげりが見えたとはいえ、今後とも、そのレベルを下げてほしくないので、市長にうかがいます。

今年は一人当たり、一月13千円の子供手当てが支給されます。また、平成24年度以降、子供手当ては一人当たり23千円になり、年収450万円、夫婦と子供2人の家族では、控除が廃止になっても、52万円ほどの増収となります。これは、経験からいって、給食費、教材費、食費であっという間に消えてしまう額です。最近、子供手当てが出るから、子育て支援施策を考え直すなどという市があると聞いています。

狭山市では、子供医療費の見直しなどをしてはならないと思っていますが、どうなさいますか。

また、教育長にうかがいます。高校授業料を全額国が補助することにしました。それに伴い奨学金の見直しなどをするつもりでしょうか。高校は学費だけがかかるのではなく、通学費も教材費も、修学旅行代も中学校以上にかかります。学習意欲のある子供たちに教育の機会を与え続けるためにも、絶対現状のままの奨学金制度を維持してほしいと願いますが、いかがですか。

平成24年度より、年少者扶養控除が無くなり、27千万円という税収が予定されています。市長にうかがいますが、この税収をどのようにお使いになるのか?子供関係の事業、たとえば祇園保育所の建て替えや入曽乳児保育所の建て替えなど使うべきところはあるのですから、率先してそのような所にこの税収を使っていただきたいと思うのですが、いかがですか。

そして、今後も増加するであろう保育所のニーズに対応するために保育所の定員を増加させることについてはどう考えますか。

子育て問題の最後に、幼稚園の統廃合についてうかがいたいと思います。さまざまな市の子育て支援を調査しましたが、授業料の比較的安い市立幼稚園は、狭山市の子育て支援の目玉になるというのが私の印象です。息子の友達が狭山市に戻ってき始めました。それは、子供医療費が通院、入院ともに無料で、窓口払いも無いこと、それと安く子供を幼稚園に入れることが出来ることが主な理由でした。核家族の場合、子供が2人、3人となると現状では母親が働きに出るのは難しくなります。保育所に入れたくともパート勤めでは、手取り以上に費用がかかりすぎて、勤務できないのです。しかし、母親が子供を家で見ることになっても、就学前になれば、幼児に教育しないわけにも行きません。だから、教育費の安い市立幼稚園に行かせることになるのです。子供手当てが出たとしても、私立幼稚園の費用には到底届かない金額です。先年、3市立幼稚園を統廃合しました。その結果、経済上の理由で、幼稚園にも行かず、保育所にも行かない子供たちがいるのではないかと心配です。だからこそ、市立幼稚園の統廃合は見合わせるほうがいいと思うのです。教育長のお考えを伺いたいと思います。

 

次に、人口減少を起こさせないためには魅力的なハードの整備が必要だと思います。住居は、若い世代の転入の大きな要因となります。保育所や子育てセンターなどの子育て施設のある場所に、手ごろな値段の住みやすい住居があれば若い世代が住み着くでしょう。狭山市駅東口では、祇園保育所の建て替えが考えられています。西口公益施設の中では乳幼児情報センターや一時預かりの保育所も出来ます。ですから、現在整備中の狭山市駅東口の区画整理事業地内は若い世代には特に住みやすいところです。そこで、区画整理事業の進捗状況と完成後の人口をどう考えているのか、部長にうかがいたいと思います。

また、入曽駅東口の整備を早くすすめ、フラワーヒルや東急団地方面の世代交代に対応すべきだと思います。入間小学校跡地に、駅前広場を建設し、又老朽化した公民館の新築移転、入曽乳児保育所の新築移転を早急に計画すべきだと思いますが、いかがでしょうか。反対者がいるのに、今後100億円かけて駅前を区画整理するよりも、半額の50億円で駅前整備や公共施設の整備をし、残りの50億円は他に利用したほうが、賢い税金の使い方だと思うのですが、いかがですか。

新しく着工する都市計画道路の計画が作られました。駅を使い、東京に通う市民の多い狭山市では駅へのアクセス道路の整備は若い世代だけでなく、誰にも喜ばれるところです。また、駅から遠いところは、比較的地価も安く若い世代に手ごろな物件も多いだけに、駅へのアクセスしだいでは、人口増に繋がると思います。早期の着工が望まれていますが、どのようでしょうか。

私は、人口を増加させるためのまちづくりには、学校のリニューアルと公民館のリニューアルし、魅力度をアップすればいいと思っています。入間川小学校が出来て以来、もちろん狭山市駅西口再開発もあり、この何年間か入間川小学校地内でマンションの建設が続きました。魅力的な学校や街づくりへの投資が目に見えるような人口増加策であった証明です。

狭山市の学校はだんだん老朽化がすすんでいます。そろそろ改築の時期がやってきている学校もあります。リニューアルをどうするかを、市長にうかがいたいと思います。

人口問題を考えるときに、増えるのは中高年だということを忘れてはいけないと思います。そこで公民館です。中高年の憩いの場として、図書館や公民館はうってつけの場所です。公民館こそ老朽化が気になる施設です。このリニューアルによって、町の魅力度アップについても、市長のお考えを伺いたいと思います。

これで私の1回目の質問を終わりにします。