20113月一般質問原稿
1.子どもの幸福 2.障がい者の住まい 
3. 街づくり

 

8番高橋ブラクソン久美子です。議長のお許しをいただきましたので、私の一般質問を行います。この一般質問は私の3期目の議員生活の最後となりますので、今まで焦点を当ててきた問題の内、青少年を含む子ども、障害者、街づくりなど中心に行います。

 

1.    子どもの幸福

 

子ども達は宝であり未来です。子どもの幸福を望まない人はいません。しかし、毎日の報道や、私は貧困防止ネットワークに入っているのですが、そのネット上の情報を見ると、虐待の事を見ない日のほうが少ないように思います。私が議員になってから狭山市にも虐待が全国報道される事もあり、虐待による子どもの死亡事件もありました。私は里親登録をしてから20年以上になりますが今も尚虐待があり、それを避けるために里親で養育されている子どももある事を知っています。児童養護施設にいる子どもの多くが虐待の経験があるという事も事実のようです。

 

まず、伺います。

狭山市で把握している虐待の実態はいかなるものでしょうか。親や身内からの相談もあるでしょうし、最近は虐待の通報が義務点けられているので通報もあるでしょう。それを受けての調査もしていると思います。どのようですか。福祉部ならびに教育委員会でつかんでいる実態をお話ください。

 

そのような虐待や虐待と思われる事例の原因を調べていますか。最近は格差社会などといわれ経済状態に大きな違いが出てきており、又、無縁社会などといわれ地縁、血縁など社会の絆がほどけてきています。それは、家庭のあり方すらも変えています。離婚の増加、母子家庭の増加や、再婚、でなければ同棲によるさまざまな家族のあり方は、子どもへ大きな影響を与えています。原因が想定できれば、子どもへの対応も可能です。

 

虐待は一生子どもに傷を負わせます。特に小さい時の傷は癒されたかのように見えても、決してなくなるわけでありません。私は親からの性的虐待を受けた人の話を聞きましたが、大人になっても、いくつになってもトラウマとなり、結婚もできずにいました。虐待は、親の虐待をやめさせ、子どもを虐待から遠ざけ、心身とも安全で安心できるようにしなければなりません。また、虐待をした親や虐待を受けた子どもに対しての支援やケアなくしては、もとの木阿弥、いや子どもには2度目の虐待は前以上の傷となります。それと同時に、地域や学校での取り組みは、子どものためにとても大切です。どのように取り組んでいるかをお聞きしたい。

 

昔は、どんな親でも産んだ親と生活する事が子どもの幸せと考えられてきました。しかし、この頃は、産んだ親のもとで育てるよりも、子どもが安全で健やかに成長できる子どもにとって良い環境で育てるべきだという考えが広まっています。私も養女を育てました。血のつながりを否定できませんけれど、愛情というものは日々の中で育ち、育む事によって絆ができていくのだと思っています。子どもにとって産んだ親に育てられるのがベストではないケースが確かにあると私は断言いたします。

 

以上のように、狭山市民にも、親と共に生活できない子どもがいるし、そのほうが良いケースも多いと思います。そのような児童を育てる施設は児童養護施設などと呼ばれます。昨年末からはタイガーマスク運動でこの施設が注目されるようになりました。狭山市民の子どもは児童養護施設にどのように措置されていますか。人数、施設の数や場所、住んでいる年数、その内家庭に戻る事ができる子どものケースなど、お話ください。

 

私は最近虐待などで児童が施設に措置されていると言いました。狭山市で措置している子ども達の入所の原因はどういう事なのでしょうか。先ほども言いましたように、原因がはっきりした場合、何らかの援助が可能かもしれません。

 

次に、児童養護施設は基本的には18歳には出なければなりません。中学校をでて学校に入学しなければ、その時点で自活しなければなりません。昔は住み込みの仕事に従事したものだと聞きましたが、今はそういう仕事も少なくなってしまいました。18歳で自活といっても、アパートすら保証人なしで借りるのはできないし、礼金、敷金、自活の費用だとお金も掛かります。プチソロミストでは毎年狭山市の子ども達に何万円か自活資金としてお金を寄付していると聞きました。タイガーマスク運動以前から、子ども達への暖かい思いを実践してくださっている方々がいる事を心から嬉しく思います。さて、狭山市では、毎年施設を出て行く子ども達がいると思いますが、その後そういう子ども達はどのようにしているのでしょうか。親子の縁の薄い子ども達が多いので、自立への道が心配です。自立などへの狭山市の援助はあるのでしょうか。

 

家庭とはどういうものかを知らずに18年間も施設で育てられる子ども達がいます。狭山市では里親会があって、家庭で子ども達の養育をしています。しかし、里親に預けられる子どもの数は施設にいる子どもに比べとても少ないのが実態です。自分は子どもを育てられないけれど、里親に預けたくはないという親がいるのです。親に子どもへの愛情がある場合は、虐待など親と離したほうが良い場合を除き、できる限り親と子どもが一緒になる機会があったほうがいいのではないかと考えます。近いほうがその機会が増えると思いますが、狭山市には児童養護施設ありません。どうしてでしょうか。施設の建設をしてほしいと願いますが、いかがですか。

 

さて、私は、平成になって格差がこんなにも開くとは思っていませんでした。両親がパートや派遣だというケースも増えています。婚姻が少なくなり、少子化が取りざたされている中で、父親が正規職員でなければ結婚できないとなれば、子どもの数は激減してしまいます。こういう世の中において、親の経済状態がいかなる場合であっても、子どもが健全に成長し、学校に行けるようにするのは、政治の役目だと信じます。

 

昨年来、政府はこども手当てを創設し、すべての15歳以下の子どもを持つ親に13千円を支給しました。巷では、こども手当てはばら撒き打などという人がいますが、私の支援者は比較的若くかつ経済的に恵まれない人が多いのか、こども手当てはとても喜ばれています。こども手当ての支給はどのようですか。特に先ほどから述べている児童養護施設にいる子ども達の自立のための資金としてこの手当てが活用されれば良いのにと思います。児童養護施設にいる子ども、里親の下のこども、一人親家庭の子どもに対するこども手当ての実態もお話ください。

 

家庭の形態も大幅に変わっていて、母子家庭がちっとも珍しくなくなりました。しかし、問題は母子家庭の経済状況が決して良いとはいえないことです。狭山市では母子家庭はどのくらいいて、その経済状況はどのようですか。特に、今貧困ネットなどで問題としているのは、未婚の母子家庭の経済状況です。認知などがされていないので、養育費が貰えず、母親だけで家庭を賄っているケースが大半です。狭山市の未婚の母子家庭の経済状況はいかがですか。

 

未婚の母子家庭の母が頑張って働いている状況でおかしいと思うのは、寡婦控除がされない事です。離婚や、死別した母子家庭には適応されるのです。その寡婦控除が適応されれば、税金の金額で決められていく保育料なども下がる事が考えられます。寡婦控除がされずに、インフルエンザが無料で受けられるというサービスを切られたという例もあります。

 

未婚で母子家庭を営んでいるのと、離婚や死別で母子家庭を営んでいるのと、どこに違いがあるでしょうか。シングルマザーが必死に子どもを育て、自分も生きているのには変わりはありません。結婚しなかったりできなかった分、世間からの目も辛らつになりがちだし、責任を一身に背負い、精神的にも肉体的にも負担が多い現状があります。この際、みなし寡婦控除を考えてはいかがでしょうか。千葉市は市長の裁断で200万円の予算をつけたという事です。また、岡山市ではずっと前からみなし寡婦控除を行っているそうです。生活保護も受けず、子どもを施設にも預けず、けなげに生きている母子家庭へ優しく手を伸べていただけないでしょうか。

 

2.障碍者の住まい

 

今年、市営住宅で火災を起こり、障害者の方がなくなりました。お一人住まいでした。障碍のある子どもを持つ親として、私にはとてもショックな出来事でした。そこで伺います。

 

まず、狭山市にはどんな障害の方が何人いて、その方々の住まいの状況はどうなっているのでしょうか。施設にいらっしゃる方々も、市営住宅にいらっしゃる方々も、普通の家でお住まいの方々もいらっしゃる事と思いますが、いかがですか。

 

入所施設は待機者も多いと聞いています。待機の様子はどうですか。特に一人暮らしの障害をお持ちの方も市内にはいると思いますが、入所施設の今後の需要をどのように考えているのでしょうか。

 

特に女性用のグループホームの建設が望まれているのですが、それについてのお考えも伺います。

 

市営住宅の場合、障害がある方が専用の住宅にお住まいの場合は初めからそのように建設されていますが、途中で障害を持った方の住宅のバリアフリーや警報装置、避難路の確認はどのようになっているのでしょうか。なくなった方と同じ市営住宅を見せていただいた時に、火災警報装置が一階リビングダイニングになく、2階の寝室、階段についていましたが、これでは火災が1階で起きたときには、逃げ遅れてしまうと思いました。1階部分の火災がおきそうな台所に火災警報器が必要ではないでしょうか。改善できるでしょうか。

 

今回の火災では、消防も通報後数分という短い時間で駆けつけたにも関わらず助け出す事ができませんでした。市営住宅の高齢化が進み、メゾネット型の住宅はお庭もあるので高齢者には好評だと聞いています。けれども、寝室が2階にしかなく、テラスもないので逃げ場がありません。警報機の設置と共に、他の方法も考えなければと思います。メゾネット型の住居では、2階へ縄梯子の設置や、玄関など開閉もできるように指導が必要ですし、体の不自由な方へはフラット型への移住もお願いするべきかもしれません。警報機も障害に合わせたきめ細かい対応が必要です。火災などの防止、ならびに避難のための支援はどのようにお考えですか。

 

3.    まちづくり

 

狭山市駅西口に関して

昨年オープンした狭山市駅西口は今年の2月には駅前広場が完成しました。ある晴れた日、駅の自由通路から外にでて、山々の美しさに心が動かされました。また、こんなに多くの市民がこの西口を使っていたのかと思うほど、人の往来の多さに目をみはりました。完成時にはいろいろな不満もありましたが、使っているうちにだんだん改善されてきています。今後も市民の要望を取りいれ、より使い勝手のよい狭山市駅西口周辺になってほしいと願います。

 

 現在は市民広場が建設されています。狭山市議会、建設環境委員会では、この広場がより使い勝手が良くなるように、時間を取り、意見を言い、はじめに比べ、広場部分を大きく作ってもらうようにしました。七夕をはじめ、さまざまなイベントがこの広場を中心に行えるようにという配慮からです。もうそろそろこの広場の活用のビジョンが出来上がっても良い頃です。23年度からは、どのように使っていくのですか。

 

私にはひとつ提案があります。市民広場で七夕祭りの一週間前当たりに、織姫彦星にちなみ、市民結婚式を挙行しませんか。そして、結びのモニュメントでも設置して、狭山市の名所にするというのはどうでしょうか。恋人同士がモニュメントに来て、写真を撮ると結ばれるなんてちょっとロマンチックじゃありませんか。「ラキスタで萌え」とか、私には理解できませんが、そのようなまちおこしもあると聞いています。ローマにはトレビの泉があり、私も日本からのこのこ出かけた事もあります。狭山市の西口に、ちょっとスペシャルというものがほしいのです。

もし、結びのモニュメントがいけないというのであれば、駅前広場内や市民広場内に、たとえば池田満寿夫さんの作品を飾るのもいいかもしれません。その上、公益施設の中には彼の多くの作品を展示すればいいと思います。役所にも大きな作品がありますから、狭山市内、池田満寿夫作品散策コースなどを作ってもいいのです。文化都市を標榜している狭山市ではありませんか。この際、美術品等取得基金を積極的に用い、狭山市駅西口を用い、日本中にアピールできる街づくりとしてはいかがですか。後1年で公益施設もできます。美術品の購入も検討に入れる時です。お考えをお聞かせください。

 

入曽駅東口

 

入間小学校が閉校します。取り崩しも行われます。その跡地の問題です。狭山市では区画整理事業を行いたいとしていますが、地権者の反対などでなかなか事業の進展はありません。広瀬や狭山市駅東口の区画整理事業を見ても、当初の計画通りに事業は進みませんでした。この不景気な時代に10年も20年も掛かる区画整理事業に着手する時期かどうかという議論もあります。

私もよくよく考えると、大土地所有者の土地が多いこの場所で市が区画整理をするよりは、それぞれの土地所有者に自らの土地の再開発を促し、市は駅前広場の整備やバスのローターリーなど交通の安全を図りる事を行うほうが良いと考えます。また、土地がありますから、入間公民館を立替たり、入曽乳児保育所を入曽保育所として建て替えたりするほうが喫緊の課題を解決する事になると思います。

狭山市の街づくりのための基金は狭山市駅西口周辺事業を終えても残ります。これらを活用して入曽駅の駅前整備事業を行えば、今回の西口再開発事業が5年という期間で終わると同じように、区画整理事業に比べ短期間で住むという利点もあります。新狭山駅、狭山市駅、稲荷山公園駅の整備はすみ、残るは入曽駅の周辺整備だけです。入曽の街も高齢化が進み、活性化が必要です。駅周辺に保育所などの新しい施設を配置し、住みやすい町にすれば、新しい人がすみつく可能性もあります。区画整理事業を当面凍結し、駅前整備を行い、複合公益施設を建設してはいかがですか。

 

以上で1回目の質問