2002年9月議会: 環境



1回目

8月26日から先週の9月5日まで、ヨハネスブルグで環境サミット・持続可能な開発に関する世界首脳会議が開かれました。このサミットでは1992年リオデジャネイロで開かれた地球サミットから10年を経て、その時採択された地球環境保全のための行動計画を実行に移すための実施文書、首脳の政治的決意を示す政治宣言、各国政府などの実施する約束文書などが議論され、採択されました。

 

このサミットでわかるように、地球温暖化をはじめとする種々の環境問題に対して、地球全体の環境保全のためには、グローバライゼーションが進んだ現代ではグローバルガバナンスが必要であることが明らかになってまいりました。すなわち、一国の環境の悪化は世界規模での環境破壊をもたらすという事により、世界規模の合意による地球環境保全が必要であり、世界が一つの基準を持って、一体となって保全に取り組む計画をし、各国の政府もNGOも共にそれの実施を促さなければならないというわけです。

 

この世界的な環境保全と私たちの住む狭山市の環境保全とは無縁ではいられません。その意味で、私は現在狭山市で策定の作業を進めている第2次狭山市環境基本計画が、市の環境の保全を目指すだけではなく、この計画を推進する事により地球規模の環境悪化を食い止める大きな役目を持ってほしいと願っております。

 

そこで、このたびの環境基本計画の準備がすでに着手され、行政の主導の元ではありますが、市民会議を開き課題を整理し始めたとのことですので、環境基本計画について、お伺いしたいと思います。

 

1.まず、今回の環境基本計画の理念をうかがいたい。また、その理念に従い、市民の積極的な参加を促して、作成を期しておられると思いますが、その計画作成の進捗状況はどのようでしょうか。

 

2.私はこの環境基本計画は第一次基本計画の改定にとどまることなく、今ある理念、施策、施設、システム、すべてを見直すべきであると考えております。急速の時代の変化はたった5年前、是とされたことにでも疑問が投げかけられていると言う事もあります。ランダムに申し上げますが、次のような事に対してあり方、考え方、を見直し、改善を考えながら計画の作成を進めて言ってほしいと思います。すなわち、

・清掃センターのあり方 ・リサイクルセンターのあり方 ・大型ゴミ処理場のあり方 ・リサイクルのあり方 ・ゴミの収集方法、戸別収集、ステーション収集、収集回数、料金設定 ・生ゴミ処理法 ・生物の生態系 ・不法投棄 ・事業コスト

これらの事をいちから考えとらえなおし、新しいシステムの構築を考慮に入れて、基本的な計画を準備するべきだと思いますが、それについてのお考えを伺いたい。

3.計画が理想論の羅列とならず、実際の行動計画とするためには、予算とのリンク、また、計画によって考えられる事業のコストに対する考えが今後はとても大切になると考えますが、第2次環境基本計画の中で、どのように扱っていくのでしょうか。

特に、今後の環境行政に必要とされている施設と建設計画、その運営費用、ゴミ・リサイクル行政における処理費用などは、今まで市民の目に触れる事も少なかったのではないでしょうか。処理場などの計画、費用の問題は今後の環境行政に大きく関わってこざるを得ないと思います。どのようにこの市民の計画つくりの中に反映させていくのでしょうか。

4.最後に市民会議方式の計画策定に対する市民の反響・反応はいかがでしょうか。

 

次にゴミ・リサイクル事業に対してもう少し踏み込んでお聞きしたいと思います。

 

狭山市においては、ゴミまたは資源物といわれるものの収集量は減ることなく推移しております。それに伴いゴミ・資源物の処理費も下がることなく上がっております。調べましたところ、一人当たりのゴミ・視現物処理費は平成4年には1,848円だったのが平成12年には14,624円と3割近く上がってしまいました。

 

1.ここでまず問題なのは、処理量が増えている言う事です。私はまず、この処理量が増えると言う事に対してどのように対処しているか伺いたい。

 

リサイクルそのものは大変よいことなのですが、市が施策として回収し始めてから、前にもましてリサイクルされるので、狭山市のゴミや資源物の処理費は年々上がり平成13年度には清掃費は予算で3,121,932000円の歳出となり歳入の238,880,000円に対してコスト計算をすれば大赤字となって居ます。

 

そこで、この赤字の改善策、ゴミの減量策として、ゴミの有料化、戸別収集を昨年来私は提案してまいりました。昨年は研究するという後答弁でした。ですから2番目にゴミの有料化、戸別収集を施策としての研究の結果と実施に対するお考えをお話してください。

 

私は今年、アメリカに行き、親の住む街のリサイクルを見てまいりました。アメリカはご存知のようにリサイクル後進国です。そのアメリカの中西部の小さな町がリサイクルするに当たり、費用をどうするかを考えた時に、税金を市民に課すか、行政サービスを減らすか、有料化して自分のごみ収集費を負担するかの3つの選択肢の中から、資源物を含むすべてのゴミ収集を有料化したのだそうです。その代わり、自分でリサイクルセンターにし現物を運べば、無料です。

 

また、新聞で読んだのですが、埼玉県の騎西町では収集費を一戸当たり1500円取っていたのを止めて、有料化に踏み切ったとのことでした。

 

このように新しい事業をする時に、その費用とその費用の負担を市民に考えて貰う事が大切になっているのではないでしょうか。

 

ごみ収集の有料化、戸別収集と平行して、私はリサイクルを昔のような、民間の企業や市民の力に戻すシステムを作り上げるべきではないかと思います。昔と同じでは困るメンもあるかもしれませんから、市民と業者と良く話し合って民間レベルのシステムとするべきだと考えます。

 

最近までは、我が家では古紙、古布、ビンや缶はゴミステーションに持っていく回収物ではありませんでした。ちり紙交換の車が来て、古紙を持っていってくれましたし、古布も缶もビンも集団回収の時に出していました。しかし、市が資源物といわれるものを収集を始めてからというもの、ちり紙交換は余り来なくなったし、他の理由もあるのかもしれませんが、集団回収の回数も少なくなったように感じられます。そして、今まで市に出していなかった、古紙も古布も缶もビンもゴミステーションに出すようになりました。牛乳パックもアルミ缶も洗って学校に持って行ったのに、ステーションで処分する事も多くなっています。

 

具体的なことはさておき、3番目にリサイクル事業を民間活力に委ねていくという考えをどのように思うかを伺いたい。考えをお示しください。

 

次に、生ゴミの減量化の取り組みについてお伺いしたいと思います。

 

新狭山ハイツにおける実験とその成果と費用、生ゴミ収集における実験の経過と成果、費用について報告してください。

 

生ゴミは厨芥物の50%近い重量を閉めていると言われており、ゴミの減量化には生ゴミのリサイクルが不可欠と言われております。生ゴミの堆肥化によるリサイクルも選択肢としてよいとは思いますが、単体のディスポーザーによる生ゴミの下水処理場でのリサイクルも非常に衛生的で利便性が高いと評価されつつあります。

 

また、アメリカでの話しになりますが、私はゴミの収集が週に1回しかないと聞いて驚きました。なんて、サービスが悪いのだろうと思いました。しかし、CO2の排出の抑制を考えれば2回の回収よりは1回のほうがよいとおもいます。回収回数を少なくできたのは、各家庭にディスポーザーが着いていたからでした。生ゴミが無い燃えるゴミは臭くもないし、虫も来ないし、水も流れず、1週間に1回の収集でも、十分だったのです。それで調べてみたら、ディスポーザーから出た汚水は下水管を通って汚水処理場に行き、そこで汚泥をセメント材などにリサイクルしているとのことでした。

 

日本では、国土交通省がスポンサーとなり、北海道の歌登町でディスポーザーの単体使用について社会実験を行っております。電話して歌登町に伺ったところ、とてもよい結果を得ているそうです。私は埼玉県の新河岸川右岸汚水処理センターにも視察に行き、汚泥のリサイクルや処理システム、汚水の処理による清潔度も見てきました。そこでの私の結論は、今までは、ディスポーザーは河川を汚すと言われてきましたが、下水道が整備されるに至り、いくつかの改善はしなければならないかもしれませんが、河川を汚す心配は無いようだということでした。ディスポーザーをつけることは環境に負荷を与えると考えられてきましたが、反対に、焼却炉の延命、焼却炉からや収集車から出るCO2の抑制、ゴミの大幅なごみ減量を促し、環境に優しい生ゴミの処理ではないかと思います。その意味で私は大いにディスポーザーの導入を進めるべきでないかと考えます。

 

現在狭山市では単体のディスポーザーの使用を下水条例で禁止していますが、その条文を廃止し、ディスポーザーによる生ゴミのリサイクルを選択肢として、市民に提示する事についてどう思われるか、お考えを伺いたいと思います。

 

次に緑の保全についてうかがいます。

 

先ほどの新聞報道でくぬぎ山の産廃業者の地区内でダイオキシン濃度が低かったので、その土地を買い、樹木を植えて、里山再生の一環とするということが乗っていました。私は里山の再生には大賛成です。この場所を購入し、再生することになった経緯を伺いたいと思います。

 

また、今までも狭山市は埼玉県と協力し、遺産相続が発生した時などは林を買っては居ましたが、今後どのように緑を保全していくのか、計画がありましたらお話ください。また、緑は林にあるだけではありません。住宅地、市街地での緑の保全をどのようにしているのか、お聞かせください。

 

狭山市では緑の保全の意味も含めて生垣の奨励をしてまいりました。その成果が現れ、新興住宅地といわれていたところも年数を経て、立派に茂っております。所が、持ち主が高齢になられたのか、他の理由があるのか、生垣に手入れがされていないお宅も増えてまいりました。道路に出ていて、通行の邪魔になったりしているところもあります。生垣は市道にどのくらい出てよいのでしょうか。通行の邪魔になるほどの生垣にはどのような指導をしているのかお伺いしたいと思います。私は、生垣はご家庭の敷地の中に生えていてほしいと願うものです。

 

鳥類の保護について伺います。

 

昨年、社宅をでて、入間川の近くに家を構える事が出来ました。それで、川の自然に目がいってしまうことがおおくなりました。そこで、少し観察してみると、どうしても10年ほど前に比べ鳥が少ないように思われて仕方ありません。鳥の数だけでなく、種類も少なくなっているように思われます。

 

狭山市は、鳥の生態状況をどのように把握しておられるのでしょうか。以前に比べ生態には変化が見られるのでしょうか。

 

特に入間川に来る鳥類の生態に変化は無いのでしょうか。

 

入間川の川原の改修計画、セーヌ川構想の中でどのように鳥類を保護していくつもりでしょうか。土手の一部に人の手をいれず、人も立ち入り禁止の鳥類のサンクチュアリを作ったらいかがでしょうか。入間川中学校の裏の土手などから川原までという場所はいかがでしょうか。

 

川原の清掃の時期が抱卵期にあたるとある保護団体の人に聞きました。清掃については保護団体の人に伺い時期をずらす事が出来ませんか。

 



2回目


もう1つ、市長に伺うべきなのは、ゴミ・リサイクル行政の問題です。これは、市長が大変心を砕いている問題でもあります。私は答弁を伺っていて少しわからない点があります。其れは、環境の保全は21世紀の課題ですが、この環境対策にどれぐらいの財政を将来にわたって市が投入していくのかと言う事です。それによって、基本計画が変わってくるでしょう。今までは、市が主導でシステムを構築しようとしてきました。市がスポンサーであったとも言えます。しかし、歳入の大幅な増加が見込めない時に、大事な課題とはいえ、やはり支出にブレーキを掛けざるを得ません。サービスを維持していくには事業を民間活力に移管していくことしかありません。具体的には、リサイクル事業から手を引く準備を始めること、緑の保全には市が自前で買い支えるのではなく、トラストのように市民の人による緑の保全を強化するなどです。また、収入の面では、収集の有料化を切実に考慮すべきだと思います。私はこの収入は将来の焼却炉建設のための基金の積み立てにしておいてもよいと考えています。このように、財政を考えて、環境政策を考えるのと、考えないのとでは、将来像が大きく変わってくるように思います。

市長は、基本計画は将来像を示す、財政の事は基本計画の下位に位置づけるとおっしゃいましたが、財政を考えない将来像は単なる空想に思われて仕方が無いのですが、その辺のお考えをもう一度お話ください。それから、ゴミの有料化、戸別収集の政治的判断をいつ市長がなさるのか、またはその判断は今後も部長に委ねるのか、そのテンも市長にお聞きしたいと思います。

私がディスポーザーを提案したのは、環境負荷の軽減が一番の目的ですが、これの普及によって次に立て替える焼却炉を小さく出来るのではないかという経済面も含んでいます。今後、下水道は上下水道部に移管しますが、水道部長、流域下水道組合で単体のディスポーザー使用に関する研究を将来の課題として取り上げてほしいことを要望しておきます。

環境部長に、お聞きします。先ほどの答弁にはありませんでしたが、今年の予算に組み込まれた、産業廃棄物処理場の購入のいきさつを具体的に話してください。新聞によれば、ダイオキシン濃度が30ピコグラムだったそうですが、その土地をいつ購入しどのように再生するのでしょうか。

また、購入済みの森の管理ですが、森林公園として開いてほしいという声もあるし、私が思うように下草を刈らず、野鳥のすみかにしてほしいと言う願いもあります。メリハリをつけた管理で、市民が憩えたり散策の出来る森と自然のままの森を作り上げてほしことを要望しておきます。

鳥類の保護と生態調査をよろしくお願いします。交通安全の面から、生垣の市道にはみ出している部分への指導をよろしくお願いします。