議会レポート15

2003年1月13日発行

基礎学力か、英語教育か?
身近な公園か、森林公園か?

あなたは、小学生に基礎学力の向上をのぞみますか。それとも、英語力をつける事をのぞみますか。

あなたは、歩いていける身近な公園を作ったり、楽しく遊べるように作り変える事をのぞみますか。それとも、くぬぎ山に、もう1つ見栄えの良い森林公園を作ることをのぞみますか。

なぜこんなことを持ち出すかというと、財政が悪化している中で、政策決定の際、二者択一を迫られるからです。もし、どちらにも力を入れられる財政力があるのなら、こんな選択は必要ないのです。しかし、9月に私が行財政改革待ったなしと言ったように、したい政策をすべて行えるほど狭山市の財政は潤沢ではありません。

“基礎学力か英語教育か”と言われたら、

楕円: 私の考え

私は、基礎学力の向上を取ります

実は市長が小学校一年生から週一回英語を教えることを提唱し始めました。そのために、英語の教師を雇う事と、小学校一年生を30人学級にして、その担任を雇う事のどちらの政策を好みますか。

私は、多額の市費を投じて、小学1年生から英語教育を始める必要はないと考えています。私を見てください。昔ながらの教育を受けた私でも、必要に迫られて、英語を話せるようになりました。本当のことを言って、普通の生活で英語を話せる事がどれほど必要でしょうか。

あなたが小学生の基礎学力を付けるほうに重きを置く方ならば、きっと今回出された請願2号の“多人数学級を解消し、狭山の子供に行き届いた教育を実現するための請願”に賛成すると思います。この請願は、小学校1年生の30人定員化と、小学2年生から中学3年生までの35人以上学級の解消を求めて出されたものです。

同じ多額のお金を投じるのなら、30人学級を実現したほうが、子供の基礎学力は伸びます。まず、基礎をしっかりするべきです。日本語での読み書きそろばんをしっかりする事が大切です。また、電卓があっても、自分の力で計算できなければ、それですら使いこなせないのです。ですから、私は、今回、請願2号の紹介議員として名前を連ねました。基礎学力向上が大切です。

しかし、残念ながら30人学級を提唱した請願は、継続審議とされてしまい、採択されませんでした。

 “身近な公園か、森林公園か”と言われたら、

“子育て支援と子供の健全成長のため身近な公園の整備を”と言います。

くぬぎ山の産業廃棄物処理場の跡地を中心に森林公園化したいという市長の発言が議会冒頭にありました。狭山市には、智光山公園、稲荷山公園、赤坂の森公園、入間川河川敷公園など大きくりっぱな公園があります。今度は、くぬぎ山の森林公園化だそうです。

これ以上見栄えの立派な大きな公園が狭山市に必要でしょうか。くぬぎ山では、地元住民がなぜ産業廃棄物処理業者を締め出そうとしたのでしょう。それは、そこから出るダイオキシンが怖かったからです。いままで、どのくらいのダイオキシンがくぬぎ山にばら撒かれていたか誰にも分からないほどです。そんなところを、森林公園にして、子供たちを遊ばせるなんて止めたほうがいいのです。人に見えないダイオキシンは、べったりと木々に張り付き、地面を覆っているのです。将来はともかく、今は、くぬぎ山の森林公園化を止めるべきです。

旧市街地区の住民は、最近市が借り上げていた公園が閉鎖される事などに憂慮しています。水富地区では、河川敷公園はあっても、国道299より北のほうでは市街化区域内で身近な公園を探すのが難しい状態です。水富幼稚園前の公園も閉鎖されたし、崖は危険ということで、もう遊べません。お寺でも遊べません。

水富地区だけでなく、多くの古くからの街の身近な公園は保守するだけで、なかなか整備されていきません。旧市街地の公園は遊具も公園そのものも古くなっています。相続が発生して、市がその土地を買い取れないので閉鎖されていく公園も見られます。入間市では公園のリニューアルを計画的にしています。しかし、狭山市では補修するのが精一杯です。計画的に整備してほしいと思います。



あけましておめでとうございます。皆様のご多幸をお祈りします。

12月議会:議会質疑 私は、今回も多くの議案で質疑をしました。すべてを書ききれません。私が大切だと思う質疑を取り上げました。ちなみに、本議会では22議案と2請願が採決されました。

インキュベーション施設の成功の秘訣は支援です。

議案85号狭山市地域新事業創出基盤施設条例

質問:この事業をするためには、インキュベションマネジャーによるサポートが一番重要であると思いますが、具体的にはどのようなことをするのですか。

狭山市、商工会議所はどのような支援をするのですか。

答弁:(市民部長)コーディネーターマネジャー、役所、商工会議所が協力して、新規産業を興す気概のある会社には手厚い援助をし、有力な産業となるよう育てていきたい。

私の考え: この新事業創出基盤施設すなわちインキュベーション施設といわれるのは、新しい事業をしようとする人に便宜を与える事によって、いつかは税金の払える企業に育っていって貰うために、場所とその支援を与えようというものです。

インキュベーターとは英語で孵卵器(ふらんき)という意味で、卵を育てる機械です。勿論、金の卵を上手に育てれば一番良いのでしょうが、どの卵が孵化するかは、育ててみないと分かりません。また、育て方によっては、育つものも育ちません。狭山市の施設です。狭山市が本腰を入れて育てる覚悟が大切だと思います。絶対に市営貸しビルになってはいけません。単に会社が入っているだけということでは目的を達成しません。

1億3千万円もかけてインキュベーター施設を作っています。8室を新規事業を考えている人に貸してあげます。とても安く借りられるのです。どなたか、新しい事業を起こす方で、支援を受けたいという方がいましたら、狭山市の商工課に連絡してください。


安易な減収案は税金の無駄使いです。

議案94号:狭山市ふれあい健康センター条例の一部を改正する条例

反対討論: 私はこの議案に反対し、採決の際反対討論を行いました。この条例は、サピオのトレーニングルームの料金を4時間300円から2時間200円にしようというものです。

実際は、そこを使っている人の75%が2時間以内しか使わないので実質上料金を下げる事になり、145万円の減収を見込んでいます。

私が反対討論をした理由のひとつは、いつも言っているのですが、箱物の歳入と歳出に大きく隔たりがあり、民間で言えば大赤字状態なのに、改善しようとするのではなく、今回も減収になるような条例を出してきた事にあります。減収の補填は税金からです。すなわちトレーニングルームを使わない人たちがその145万円分を払わなければならなくなるということです。

 

また、2つ目の論点は、この減収に対する策を狭山市は考えていない事です。私には減収が予測されるような施策は今考えられないのですが、もし、しなければならないとしたら、減収させない対策もセットで考えると思います。しかし、その策がない。運営費のカットすら考えていないのです。

今までならば、公共のものは安ければよいと思われてきたかもしれません。しかし、安くした分誰かが支払わなければならないのは明らかです。家庭だけでなく、市だってお金が無いのです。使った分ぐらいは使った人達で負担しなければ、今後の事業費は出てきません。所得の違いに考慮しつつも、市民に応分の負担をしてもらうべきと思います。

議会は意思をはっきりさせるべきです。

今回は2つの請願が出ました。私は両請願に賛成し、紹介議員になりました。請願は議会で取り上げてもらうために、議員が議会に請願を紹介するという形を取るのです。1人でも、議員が請願の紹介議員となれば、議会はそれを取り上げる事になります。

今回の1つ目の請願は義務教育費国庫負担制度の堅持と学校事務・栄養職員の配置に関する請願、2つ目は、多人数学級を解消し、狭山の子供に行き届いた教育を実現するための請願でした。

1つ目の請願は全員一致で採択となりました。事実、文教厚生委員会での採択が決まると、議会中に議員提出議案として、これを趣旨とした意見書が作られ、採決され、政府に提出されました。教育の国家によるサポート無しには全国で均質の良い教育は不可能になるでしょう。また、市では22億円にも上る教員の人件費をまかないきれません。

2つ目の議案は継続審議となりました。これについて私は反対討論をしました。詳しい事はその原稿をホームページに載せてありますのでkumiko.takahashi.comでご覧ください。

私の反対の論点は1.昨年も同じ請願が出され、審議し尽くされた請願を継続審議にしても審議すべき内容はない。2.今採択しなければ、来年度の予算編成に間に合わないので政策決定のための参考にならない。3.今決めないというのは問題の先送りであり、無責任ではないかという事でした。

小学1年生の30人学級はもう時代が望んでいることです。少しでも良い教育を望むのなら、少人数のほうが教育が行き届くのは当たり前ではないでしょうか。また、金がかかりすぎるという意見が去年はありましたが、今年は英語教育に億近い費用を掛けるらしいということが伝えられていますから、余り問題になりませんでした。私は英語教育を小学校1年生からするのなら、30人学級にするべきだと強く感じています。

議会は市長と同じように市民から直接選ばれた人が作る機関です。市長と対等の立場でいられるのは議会だけです。今議会において、議会は“今必要な事は、小学生への英語教育ではなく、基礎学力の向上である”事をはっきり市長に申すべきではなかったかと私は思います。

私は、他の議案に対しても多くの質問しておりますが、書ききれません。議会便りや議事録をご覧ください。

一般質問・一般質問・一般質問・一般質問・一般質問・一般質問・一般質問・一般質問・一般質問・一般質問

今回は、市民からのお問い合わせに答えてもらうような質問(行政サービスの向上をめざして)を最初にいたしました。私は、メール、電話、ファックスなどを通じ、また議会報告会のときにいろいろな方とお話をする中で、さまざまな要望や行政への不満、提案をいただきます。それらを自分で調べたり、考えたりしながら、狭山市をよくするために必要だと思えば、議会の“一般質問”の機会で市当局に公にお話する事にしております。勿論、窓口に行って話せばよい事もありますから、そうする時もありますが、やはり議員としては議会という公の場で質問し、糾し、提案するのが仕事であると思っています

 私は入間川の北の地区に住んでおります。ですから、ご意見も柏原や水富地区や入間川に近い鵜の木地区の方々からいただくことが多いのですが、今はメールなどで全市からいろいろなお話を伺います。今回の質問も特にある地区のために行ったというよりは、そうする事は市民全体にとってよりよい提案であったと思います。(勿論、特定のご相談には、別個当たる場合もありますが。)

 今後も、要望、行政へのご不満、提案がありましたら、どうぞお気軽に電話、ファックス、メール、お手紙などでお話ください。時期を選び、出来る限り、最適な対処を、基本的には議会を通じ、行っていきたいと思います。


1.行政サービスの一層の向上にむけて

1)ゴミ施策:持ち込みゴミの受け入れを土曜の午後もしてほしいし、3,4,12月には日曜日も受け入れてほしいが出来ないか。

答弁今は出来ません。

2)ゴミ施策:高齢者や障害者で望む人があれば、粗大ゴミも玄関口までの戸別収集をしてもらいたいが。

答弁検討いたします。

3)貸し館:当日でも開いている場所を貸してほしいが出来ないかば、公民館、サピオ、サンパーク奥富、集会所、老人福祉センター、入間川小学校貸し出し部分。

答弁空きがありましたならば、お貸しいたします。

4)サンパーク奥富:土、日曜日は多目的浴場に保護者がいれば、子供を連れて入ってもよいのではないか。

答弁目的上高齢者障害者の健康増進施設と考えております。ですから、多目的浴場には小学生以下は入れません。

5)サンパーク奥富:禁酒措置の継続をお願いしたいが、いかがか。

答弁禁酒を続けます。

6)サンパーク奥富:刺青をした人はお断りできないか。

答弁すでにお断りしています

7)申請:いろいろな申請書類をダウンロードできるようにしたらどうか。アイコンをつけてトップページに分かりやすくしてほしい。

答弁半年後にはそのようになる計画で準備をしています。

8)申請:申請そのものをIT化できないか。

答弁認証が難しくすぐに実施は無理です。

9)バリアフリー:障害者用または洋式便器をすべての館のすべての階に設置してほしいし、便所内に手すりもほしいがどうか。例えば、庁舎、公民館、学校、老人福祉センター

答弁公民館は来年度までに障害者用または様式便器がすべての館につきます。老人福祉センターにはすべてついております。学校は計画してつけております。庁舎も順次つけます。

10)バリアフリー:障害者用誘導タイルの位置が視覚障害者にとって動きにくいという批判があるが、もっと視覚障害者の意見を聞いたらどうか。

答弁意見は伺っております。

11)電話対応:電話に出る時には自分の名前を名乗ってから、対応するべきではないか。

答弁これから一層名前を言うように努めます。

まとめて+私の考え:

今回の質問で一歩前進したことは、1.粗大ゴミの戸別収集では、玄関口まで来てくれる事。2.貸し館の当日借りが出来る事。3.サンパークやサピオでの禁酒は続けると明言した事。4.申請書類のダウンロードのためのアイコンを作ること。5.バリアフリートイレで、すべての公民館で設置される事。6.庁舎は順次バリアフリー化したトイレを各階に入れるようにすること。

しかし、ゴミの土曜の午後、3,4,12月の日曜日受付は拒否されてしまいました。また、サンパークの多目的浴場は家庭用ではないそうで、子供はオフリミットだそうです。私はサンパーク奥富の利用者がとても少ないことを憂慮するものです。多くの建設費と運営費を掛けたものです。一人でも多くの人の使い勝手のよいようにすべきではないでしょうか。

2.  不良債権処理の進展に備えて

不良債権処理を急ぐこの頃、貸し渋りによる倒産、リストラなどが進み、雇用が不安になっています。この雇用対策として、新しい産業創出で将来の職場を確保し、現産業の振興により失業者を出さないようにし、すでに失業してしまった人には雇用を創出する必要があります。

狭山市はどのような新規産業をどのように育て、新しい経済主体としてのNPOをどのように育てていくつもりですか。

中高年の雇用対策が必要です。同一賃金同一労働とし、今ある年齢差別の解消は。障害者のリストラも問題視されていますが、狭山市での雇用促進はどうなっているのですか。

答弁政府のいう15産業に力をいれ、NPO育成には市民活支援課を担当させます。

 臨時職員の年齢制限については、上限を上げていきたい。県の教員の臨時的任用ことは市では対処できません。障害者の雇用は研修を進める中で考えていきたい。

私の考え: 失業した父親を高校生が殺す事件が起きました。心が痛みます。雇用促進対策が急務です。


3.身近な公園の整備の充実

子育て支援の一環として身近な公園の整備をもっと推進してほしいと思います。狭山市には大きい公園の整備や河川敷公園の整備は進みましたが、昔からある身近な公園の整備には問題点もあると思います。どのように整備していくのですか。

答弁順次整備したい。相続で取り潰す公園もあるが、財政難のおりどうしようもない場合もあります