政志会の某議員は、『市は市民の声を聞きすぎる』
と市当局に噛み付きました。

 回の議案第60号は、水富地区の住居表示を新しくしたいという議案でした。広瀬東一丁目から四丁目とつつじ野を新しい町名とし、街区をつくるということです。地元の自治会がまとめた考えを元に議案が作られたのでした。地元の了解なしでは出来ない町名変更です。なぜ議会が紛糾するのか納得のいかないことです。

 まず、議場での質疑でなぜ“つつじ野”という地名を残したのか、なぜ入間川右岸に広瀬地区を残したのかが問題になりました。つつじ野という町名を残したのは住民の要望だったこと、他の自治会の人もそれに賛成した事と聞くや否や、先の発言“市は市民の声を聞きすぎる”があったのです。私は議員として、市に『市民の意見を聞いてほしい、市民参画を進めてほしい』とお願いしてきました。行政は市民のために多くの市民の意見を取り入れてほしいと思っているからです。それなのに、議員の中から市民の意見を聞きすぎるという発言が出てくるのには耳を疑ってしまいました。

 その後、この議案は建設委員会に付託され、4時間に渡って質疑されました。市当局は自治会の代表が6回も集まって話し合ったこと、審議会の答申もいただき市民の希望に添って議案が作られたこと等を一生懸命説明しました。つつじ野からは自分たちの要望がどのようになるか傍聴に来られていました。けれども、政志会(狭山市議会の最大会派)の議員は、住民がのぞんでいることを納得しようとしません。つつじ野を広瀬東三丁目と四丁目に二分割し、かつ、入間川右岸を入間川にしたいのです。なぜ、つつじ野という地名が出来るのがそんなにいやなのでしょうか。新しく狭山に住み着いた人々が地元になじみのない地名を付けるのをヒステリックに反対する理由は何なんでしょうか。狭山百年の計なんて言っていますが、地元の人々が良いと言っている事をなぜこんなに政志会の議員は反対するのか、合理的な理由は私には聞き取れませんでした。私は何かこれに絡んで別の理由があるのだろうかと疑ってしまったりしました。

 しかし、委員会が終った後、政志会のある議員にすごまれました。『てめえ、傍聴者がいると思ってカッコ付けるんじゃねえ』。本当に悲しくなりました。傍聴者がいようがいまいが政治信条を述べる市議会議員が少なくとも一人ここにいることを、市民の方々だけでなく議員にも知ってほしいと思います。

                 

 今回の議会では、いくつかの場面で“数は力である”という民主主義・多数決の意味を知らされました。多数を持てば、ルールですら自分勝手に変えられます。自分の会派はさて置いて、少数会派をやり玉にあげたりもなんの咎めもなくできます。私は民主主義に全幅の信頼を置いていたのですが、その民主主義もチェックなしではいけないことが良く分かりました。時には、私達人間は間違いをおこします。多数派の暴走には、少数派がその歯止めになっていけば良いのですが、それはとても難しいことです。市民の皆さん、どうか議会傍聴や委員会傍聴にいらっしゃって、今議会がどのように動いているかを見て下さい。そして、議会と市民との間に隔たりがないかチェックしてほしいと願います。

                                                                   

 ある狭山市議会議員から、『常に高橋さんの足をひっぱろうと思っている人がいます。』というメモが届きました。今議会は多数派による横暴が、自分勝手というのではなく、他会派への攻撃・住民の意思の無視も含めてはっきり出てきた議会でした。まず、その例を列挙してみたいと思います。



1.『民主党』を会派として認めない。公認された議員以外は党名の使用を原則として認めない

 私、高橋ブラクソン久美子は、5月15日にグループ21を離脱致しました。その前に私は「民主党」に入党し、『民主党』を市議会会派として立ちあげる決心をしていたのです。ところが、5月9日の代表者会議で上記のごとく規則改正をしてしまい、『民主党』を会派として立ちあげるのをつぶしてしまいました。その上、『民主党』と名乗ることすら出来ないとする規則をも作ったのです。私一人の『民主党』の立ちあげを潰したかったのです。
 代表者会議の前、5月1日に政志会の幹事長が私の控え室にやってきて、「おまえの思っている事を潰すのはわけがない」と捨てぜりふを残していきました。そして、多数の力でそれをやったということです。
 私が民主党を名乗るのがなぜいやなのだろうか。何が邪魔なのだろうか。たった一人の女性議員をなぜよってたかって足をひっぱらなければならないのだろうか。いろいろな考えが浮かびます。皆さんはいかが思いますか。



2.自分たちが気に入らない発言は多数・力によって取り消してしまう。


 この度、議長は私の一般質問での冒頭の発言を一部勝手に“不穏当な発言”として議事録から削除してしまいました。削除の勧告に対し、私はそれをきっぱり拒否致しました。みなさん、不穏当の発言とは、人を中傷・誹謗したり、プライバシーを暴いたりと大変下品な発言の事です。例えば、吉田首相の“馬鹿野郎”という発言等がそれです。政志会の議員らが削除した発言は次の通りです。                        

今回、私はグループ21を離れ、AWCすなわち Action With Citizens,
または Active Women’s Club として活動していきます。
また、将来的には民主党・Active Women’s Committee  または
Active Women’s Community を目指します。

           注)                                     

 Action With Citizens  市民と共に活動
 Active Women’s Club  元気な女性クラブ
 Active Women’s Committee  元気な女性委員会
 Active Women’s Community    元気な女性のコミュニティー  

 この発言のどこが下品で人を誹謗・中傷しているでしょうか。また、プライバシーを暴いていないのは明白です。普段、一般質問の冒頭にはいろんな言葉を入れます。直接質問には関係なくとも、その質問をするためのスタンスを明確にする必要があるからです。公明党・共産党は自党を名乗ります。会派は自分の会派を名乗る訳です。今回から私はスタンスをグループ21から本当は「民主党」へ変えたかったのです。しかし、それが規則改正で出来なくなったとき、AWCを名のらざるをえなかったのです。将来は民主党・AWCとしたいと自分の立場を明確に示した訳です。政治家が自分がどのような政治信条を持っているかはその党や会派の名前などで知ることが出来ると思います。また、どの政治家も自分の信条を市民に伝えていく事は政治家としての役目ではないでしょうか。

 何と6時間も議会を休憩して議長並び副議長は私に発言の取り消しを迫りました。私が議長の取り消し要求にこたえなかったので、議長は強権を発動したのです。私は議長職権によるこの発言の削除が正しいとは思いません。なぜなら、発言はちっとも不適当でも不穏当でもないからです。それ以上に政治家として絶対不可欠な発言だったと信じています。
                      
 この議会には、いろいろなリアクションがありました。延々と続く休憩には市民の女性から今どうなっているのという声がありました。議員の中からは、心配のあまり“常に高橋さんの足を引っ張ろうと思っている人がいます。”というメモが来たりもしました。確かに、高橋ブラクソン久美子を目の上のたんこぶのように思っている議員はいるのでしょう。私が、市民の味方だからですか。女性・母・主婦・妻の味方だから足を引っ張りたいのですか。耳に痛い質問をするからですか。強い意志をもっているからですか。市民の皆さんの応援があるのがしゃくに触るからですか。いかなる理由があるにしても、議会という言論の府で自由な発言を制限し、自分たちのいやな発言は力・多数によって削除するという暴挙はいけないと思います。みなさん、これについてもいかが思われますか。



3.自分の会派は何を言っても、暗黙のルールを破っても構わない。


 今回いくつかの政志会の発言で問題になった事がありました。そのうちの一つは共産党が休憩を取って発言の取り消しを求めるに至りました。人・党の中傷や誹謗をしてはいけないというのは言論の府に付された制限の大きなものです。他派の言動はいやなものは力ずくでも取り下げる、自分の会派は何をいっても許される、こんな市議会で良いのでしょうか。また、自派議員の都合の悪い発言は議会運営委員会も開かず、そそくさと発言取り下げをしてしまいました。多数による暴力的議会運営に追随していては、自分の品性がおとしめられるように感じます。



4.“高橋ブラクソン久美子議員に反省を求める決議”なんて多数の力を誇示したいだけです。

 6月19日最終日の最終で大島政教議員が提出者となって上記の決議を多数をもって決議致しました。私は、この決議を次のように読みます。すなわち、自分たちが脅してもすかしても発言を撤回しない私に対して、議長の発言取り消しにおおじないで拒否をし勧告を議場で聞かず、抗議の退場をした事が気に入らないという事です。

 私は、議長が職権で取り下げた発言については、他市議の意見を予め求めていました。私は市川房枝記念財団の政治セミナーによって政治を学び、女性の議員ネットワークにも属しています。上記の一般質問での発言は他の市議会では“何ら問題とはならない”と言われた箇所なのです。狭山市議会はそんなに特別、特殊なのでしょうか。他の市では全然問題にならない発言を、なぜ狭山市では取り消さなければならないのか、大きな疑問です。その議長取り消しに少数派としての抗議はどのように出来るのでしょうか。私は不当な事をされるのに、黙ってその場で見ているのをよしとはしませんでした。今回の決議そのものが自分たちの力・多数を誇示し、少数会派への脅しのように思えるのは、私が狭山市議会を良く知っているからだと思います。私が許しがたい暴挙だといっても、少数派では議会運営上何も出来ないに近いのです。その多数が正常で、市民の味方なら問題ないのですが、“市は市民の言うことを聞きすぎる”などという議員の集まりではどうしたら良いのでしょうか。



5.議会だよりから質疑の質問者と答弁者の名前を消してしまおう。

 議会だより委員会という委員会があります。議会だよりを市民に読みやすくするための委員会です。1年かけて一般質問の報告に写真を入れても良いなど、工夫を考えていました。しかし、昨年から最大会派・政志会から質問者の名前と答弁者の役職名をカットする強い要望が出ていました。議案質疑のところには、質問1回毎に質問者の名前が載ります。それが、気に入らないというわけです。質問は、議案を吟味していなければ出来ません。私は、議案の中で特に市民に知ってほしい事は必ず質問するようにしていました。

 『久美子さん“議会だより”を見て、がんばってくれて嬉しいわ。』と全く知らない方や応援して下さった方から、そういうお言葉を何回もいただきました。全戸配布される議会だよりを、『今までは読まなかったけれど、久美子さんの質問は教育や子供の福祉のことが多いので、最近はよく読むようになったのよ』と言って下さる方もいました。まだまだ、質問の仕方は未熟で、市民の方のお気持ちの代弁者としては、もっと学ばなければいけません。しかし、私は質疑に対しても一般質問に対しても、名前を出されて困ることを発言しようとは考えていません。反って、自分の名前をはっきり述べられるような、責任ある発言をしたいと願っています。

 では、なぜ質問者の名前を出したくないのか。勿論、自分の名前が載る事がないからでしょう。なぜ質問そのものをしないのか。議案を良く吟味していないからではないかと想像してしまいます。この改悪も政志会のごり押しのたまものとお思いになる人がいても不思議はありませんね。


  

Revised 2000.09.07   Copyright (c) 2000 by 高橋ブラクソン久美子