性教育への提言書 アンケート調査より

2004年1月性暴力・性教育のアンケート調査をまとめてました。
そして、結果を元に作ったこの提言書を教育委員会、男女共同参画推進室などに提出しました。

20042月 日

埼玉県知事様

埼玉県教育長様

 

性教育の充実にむけての提言書

 

 

埼玉県内8市町村の小中学校に対して、200312月から20041月に学校教育における性教育についてアンケート調査を行いました。協力していただいた学校は、中学校38校、小学校68校です。

そのアンケート結果をもとに27日、「男女共同参画フォーラムinさいたま」のワークショップ「あなたの学校・どうなっている性教育」で、性教育の現状を検討しました。

傾向として、もっとも性教育について必要な男女平等教育の視点が欠けていることがわかりました。男女共同参画社会からほど遠い現状がみうけられました。

具体的に以下の傾向がみられます。

・性教育の内容が具体的な性交・性暴力・選女交際について考える事を避けています。

・性教育の教材はとりわけ中学においてビデオに頼っています。

・教育現場での共通認識が不足し、羞恥心があることが性教育を行う上で難しい課題で

 あるいと教員が認識している。

・性的被害を受けているこどもがいるということを認識した経験が、中学校で18%、 

 小学校で8%と、想像以上に多い。又、これに対して放置していると思われるケース

 が見受けられた。

・こどもの額に対しての組織的な対応ができていないところが40%あった。

 

以上のことから、現場の教師たちの実態報告から埼玉の性教育の現状がきわめてお粗末であることを再認識し、性犯罪の防止と男女共同参画社会推進の観点から、以下のことを提言し、性教育の充実のための取組みをお願いします。

 

1、性教育について

@     性教育の必要性について教育現場に徹底させる。

A     全教員に対し、正しい性教育の知識と方法を徹底する研修を行う。

B     形骸化した年間指導計画を見なおし、小学1年から中学3年までの成長段階に応じた教育プログラムと年間指導計画を再構築する。

C     複雑多様化している性犯罪や性的人権侵害を未然に防ぐことができる具体的・現実的な教育プログラムを作成する。

D     各学年最低数時間の性教育の時間を確保し、男女平等・対等の視点をおり込み、現実的な教育内容とし、実施した教育内容について評価をおこなう。

2、性的人権侵害、性犯罪の被害を受けた子どもたちの対応について

  @ こどもの性暴力被害に対してのカウンセリングの専門家を養成し、学校現場との

    連携を深める。

  A こどもが性暴力(性虐待・痴漢行為等の犯罪被害)を受けるという認識のもとに、

    学校だけでなく保護者・地域が性教育の必要性について取組むように促す。

B       被害者支援センター・学校・警察・医師会・行政などの関係機関との連携を密に   し、犯罪にすみやかに対応できるようにする。

C       学校現場で性的人権侵害を受けた場合、訴えなければいけないことを教え、訴える場をつくり、子どもに周知する。

D       学校現場での救済機関には、女性の配置を必置とする。

 

3、行政によるアンケート調査実施について

今回は、私たち任意グループによるアンケート調査で、中学校38校、小学校68校の協力により、性教育の貧困さがわかりました。早急に県教育委員会・男女共同参画課によって、県内の学校に対して、以下のとおりのアンケート調査を行い、行政がその実態を把握する必要があります。

@       全県的に、小中学校に対して、性教育の現状に関る課題、子どもたちの暴力被害・その対応についてアンケート調査し、公表し、上記1・2の提言に対して組織的に対応すること

A       高校においての男女の性意識についての実態調査を行い、課題を把握し、課題に対応する体制をつくること