反対討論

2002年12月議会において、2議案について反対しました。その理由を反対討論によって述べました。いろいろな考えの方がいるのは分かりますが、これが私の考えです。始めは一人会派の私を理解してくださる方は少なかったのですが、今は多くの議員が理解してくださるようになったと思っています。

特に、議案94号の実質値下げ、それも300円を200円にということは、少なからず批判されるべき内容ではないかと思っています。金額だけが問題ではなく、公共サービスとは何か、どのようなサービスを誰がするべきかという大きな問題を含んでいると私は思っています。


請願2号
に関しては、私は小額1年生は30人学級に早くするべきだと思います。今回、採決せず、継続審査とした事に対して、優柔不断、問題の先送りとして、批判を受けても仕方ないのではないでしょうか。


議案第94号に対する反対討論

議長のお許しを頂きましたので、10番高橋ブラクソン久美子が議案第94号、狭山市のふれあい健康センター条例の一部を改正する条例に対する反対討論をさせていただきます。

この条例は今までトレーニングルームを使用する際、4時間300円で利用していたところを、これからは2時間200円で利用していただき、一時間増すごとに、今までは70円だったのを改正後は100円にする。また、65歳以上のものまたは小学生・中学生に対しては現行4時間150円を2時間100円とし、1時間増すごとに50円を頂く。これが、改正の主な点です。

 私がこの条例に反対するのは、この条例が実質的に使用料収入の減収になるからです。

狭山市の財政は、逼迫の度合いを深めています。市民、法人税の伸び悩み、固定資産税は評価額の低下とともに、勿論下がらざるを得ません。利子割り交付金も下がるだけです。一方、国の制度改正も伴って、福祉関係の支出の伸びには目を見張るものがあります。環境関係の支出も、今年は緑の保全をめぐり多額の出費をいたしておりますし、今後環境施設の増改築に手が付けられていく状況です。開発事業も待ったなしでやってくることでしょう。

このような状況で、私は、行財政の見直しについて、何度も一般質問や議案の審議の際に発言しております。そして、行財政改革の一環として、手数料の見直しを早急にするべきであること、特に、箱物といわれる施設の膨大な管理運営費とそれに見合わない使用料収入には、受益者負担の原則をもっとはっきりする事、収入を増やす最大の努力をするべきことを言い続けてまいりました。

9月議会では、決算の審査のさい、私は、使用料の減収に言及し、もっと使用料収入を上げる努力をしていくべきではないかといいました。使用料収入を上げるという意味は、使用料金を上げることも1つの考えではありますけれど、私の考えはもっと多くの人に使っていただき、よって使用料収入を多くする工夫を考えるべきであろうという事です。民間企業はこのような事にしのぎを削っているのではないかと思います。

ところで、今回の条例改正では、145万円の減収を見越しております。現在、トレーニングルームを使っていらっしゃる方の75パーセントは2時間以内しか使いません。ですから、この方々にとっては、使用料は300円から200円への実質値下げということになるわけです。なぜ、今、財政事業がこんな時に、実質値下げをしなければならないのでしょうか。

125日の議案審議の中、斉藤議員がこの実質値下げについて、財政当局との話し合いはどのようであったかと質問されました。その際、そのような観点で財政当局との話し合いを持たなかったと答弁がありました。私は、これはおかしいのではないかと思います。例え、市の大きな財政の中の少ない部分だとしても、全体の手数料、使用料の中で、狭山市としてどのような収入を見越していくのかという視点を抜きに、なぜ条例を改正しようとするのか、実質的に減収を容認していくのか、私には理解できません。

また、サピオは管理運営費に約25千万円をかけ、本年度までは約3億円ほど土地購入費も出していたので、55千万円近い、市からの持ち出しがあったのにも拘らず、収入が約8千万円ということです。民間で言えば大きな赤字です。それを考えれば、例え少しでも、収入を増やそうと考えるなら、分かりますが、減らしても良いとはどうして考えられるのでしょう。

公共施設はいろいろな方から、多く使用してもらい、その維持費には応分の負担をしていただく。そして、他の使用しない方の税金からの支出を控えようという考えがあります。今回、145万円減収で、管理運営費を切り詰められないとしたならば、一般会計から、すなわちトレーニングルームを使用しない人たちの税金の中からその145万円を補填していかなければなりません。文教厚生委員会でその減収を補填する策についての質問もありましたが、利用者の回転をあげるという話があるだけで、他の有効な手段を考えていないようでした。また、管理運営費を切り詰めようという発想も全くありません。

利用者の方々からの声がと執行部は言います。使う方には勿論安いほうが良いに決まっています。75パーセントの方には実質値下げになるのです。しかし、減収分を結局使わない人が補填していくというのは、不公平にはなりはしませんか。

このような理由で、私は、狭山市の財政が逼迫し、行財政改革プランが出されようとしている時に、全体の市の財政を考えずに条例を改正しようとする、狭山市ふれあい健康センター条例の一部を改正する条例には、反対します。

請願2号を継続審査にする事に対する反対討論
小学1年生の30人定数と小学2年生から中学3年生までを35人以下のクラスにしようという請願でした。本当の所、昨年も同じ請願が出され、審査しつくされている請願だけに、さっさと採決し、採択してしまうのが、議会として見識ある態度だと私は思います。

10番高橋ブラクソン久美子です。議長のお許しを頂きましたので、請願第2号 多人数学級を解消し、狭山の子供に行き届いた教育を実現するための請願を継続審査とすることに対して反対の立場から、討論をいたします。

 このたび、狭山市教職員組合執行委員長、明松みどりさん他703名から提出されました請願を文教厚生委員会で継続審査とした事に反対いたします。この請願は昨年に引き続き、同じ内容で提出され、昨年は採決され、布採択となりました。本年度は文教厚生委員会で慎重審査を行ったにもかかわらず、今議会での採択をぜず、継続して審査する事を採決しようとしています。

 しかし、まず、なぜ今議会でこれを継続審査しなければならないのか、私には理由が分かりません。この請願は、昨年も提出され、委員会では趣旨採択、すなわち趣旨には賛成する旨の採決がなされました。趣旨は理解できるほど、深い審査をしたわけです。このたびも、長時間にわたり、審査をいたしました。それには多くの議員の質問が説明議員に対してなされ、説明議員は丁寧にそれに答えました。この審査の過程で、何一つ説明を回避したり、説明保留もなされませんでした。これ以上、質問が出ない状況下で委員会の裁決をするに至りました。要するに、審議し尽くされているのです。なぜ、審議し尽くされた請願を継続審査にする必要があるのですか。私は、継続審査にする理由がないと思います。

  次に、いま、この請願を継続審査にするということは、来年度への政策決定にあたり、議会として、執行部へこの請願をどのように考えているかという姿勢を示さないという結果になります。継続審査というのはまだ、決めない。もっと話し合うということです。しかし、来年度の予算編成は、急ピッチで進んでおり、最終的に来年度の政策決定をしているところであろうと思います。今、姿勢を示さなければ、例え、3月に採択しても、来年度には、請願項目、市内の小学校1年生の全学級を30人の定員にしてください、市内の小学校2年生から中学校3年生までの35人以上の多人数学級を解消してくださいということの政策導入はほぼ不可能です。だからこそ、今なのです。だからこそ、今継続審査にしてはいけないのです。

 議会は、執行部から独立した、市長と同じように市民から直接選挙で選ばれた機関です。私達、議会はその見識によって、市長へ政策決定に対しての提言をいたします。今回、来年度の政策決定の時期に、私達議会がこの請願を継続審査にする事は、市民から、私たち議会が決定の先送りをしたという風に見られはしないかと心配です。世間では、事案を先送りにして責任を取らない事例に批判が高まる傾向があります。50年体制などという言葉を使って批判しています。問題を先送りにして、自分達で責任を取らないような体制でいることも、その50年体制の1つだそうです。確かに、いかなる決定しようとも、それに対しての責任が伴います。どちらからも、批判がやってくるのは見えています。昨年度は、議会としては、粛々と採決し、不採択にしました。私の考えは、採択でしたが、私はこの結果を議会の意思を示したことと理解しました。

 今回は、継続審査という事で、議会は態度を今のところ保留しています。私は、採決の結果がどうであれ、この請願を採決し、議会としての見識、意思をはっきりするべきだと思います。

 この観点から、多人数学級を解消し、狭山の子供に行き届いた教育を実現するための請願を継続審査にする事に反対いたします。