議案118号 「狭山に市西口地区整備事業を現行計画のまま行うことの賛否を住民投票に付するための住民投票条例」に対する反対討論
私は西口地区整備事業を現行計画のまま行うことの賛否を住民投票に付すための住民投票条例を制定することに反対いたします。この投票をしなければならない意義を全く感じないからです。1条の目的ではこの西口地区整備事業を現行のままするかどうか賛否を問うことが民主的で健全な市政を図るためだといいますが、実際そうでしょうか。
私たち
すべての権利者がGOと言い、計画、事業認可もされている事業で、将来の資金面の問題もクリアしている市民の懸案事項を、なぜ住民投票に掛けなければならないのか理解に苦しみます。市民は一日も早い完成を望んでいるだけです。
この住民投票を求める考えには、「一日でも早く西口の整備はしてもらいたいが、現行の計画が大きすぎるので見直しをしたい」という声があると聞いています。前段の「一日でも早く西口を整備してもらいたい」というのであれば、現行の計画を進めるのが道筋でしょう。法的な面、権利者の合意の形成などすべての面で、現行の計画はクリアしています。これを1から始めるというのであれば、また、何十年という月日が掛かると思います。それどころか、整備は出来なくなるかも知れないのです。
そして、後段の「計画が大きすぎる」という主張は、前段と密接に絡んでいることを知っておくべきです。すなわち、「権利者さんの生活再建をどうするか」という事です。見直す会のチラシでは、「90億円で道路と駅前広場を造ればよいのではないか」「現行の計画は大きすぎる」と言います。しかし、「道路と駅前広場だけを造る」と言いますが、現在駅前やその周辺で事業を営んでいる方々の生活の問題をどう考えるのでしょうか? 駅前広場を造り、道路を拡幅するために、今現在事業を行っている駅前のビルを壊し、その上今住んでいる家をつぶして、「さあ、出て行ってくさい」と地上げできますか? 90億円での買収方式の駅前整備とはそういう事業です。しかし、今駅前やその周辺におられる方々に、そんな勝手な要求は出来るわけはありません。だから、地権者の皆さんの理解を得て西口の整備をするには、再開発の手法によるしかないのです。地元の方々の事業の継続を保証し、また、せめて駅のそばに住宅地を確保することが、この事業の成立の第一要件です。
何べんも言いますが、たとえ、公共の利益だからと言っても、駅前広場や道路を造るために理不尽な立ち退きは求められません。見直し派の90億円案は、地権者にしても決して理解を示すことの出来ない案です。よって、90億円で駅前広場と道路を造る云々は、「机上の案」で、実現できっこないのです。私は、出来ないことを出来るかのように言うのは嘘をつくのと同じと言い続けてきました。
したがって、この住民投票案の隠された趣旨は、次のような事です。すなわち、「ようやくまとまった事業案を破棄し、整備への展望を失わせるか」、それとも、「現行のままで5年後に
この事業は市民の長年の懸案であるというのは間違いありません。市議会として住民の真意を問うことにやぶさかではありませんが、民意がはっきりしていることに、何千万円もお金を掛けて、住民投票を行う必要があるのでしょうか。それこそ、「税金の無駄使い」だと思います。
この西口整備の現計画は住民投票に値すると言う人がいます。そして、その根拠は、この条例の一条に言うように、民主的で健全な市政運営をするためとの事です。しかし、私は、
以上の理由で私はこの住民投票条例の制定に反対いたします。