市川房枝記念会女性と政治センター 北欧スタディーツアー(2010.8.3〜11) 

スタディツアー1 8月3日、4日、5日

下もご覧ください。
スタディツア2 8月6日、7日、8日
スタディツア3 8月9日、10日、11日、
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3日(火)         
 成田空港出発前  コペンハーゲン空港:まるで現代美術館  オランダのアムステルダム:
スキポール空港
朝、4時におきて夫に所沢駅まで送ってもらった。すごい人で、昨晩のうちに高速バスを予約しておいて良かった。8時過ぎには成田に着いたが、食事をしたり、ユーロに両替をしたりしていたらすぐに9時40分の集合時間になってしまった。1ユーロ118円。昨年は1ユーロ130円だったから、一割円が高くなった。飛行機内用のスリッパ、ヨーロッパ用のコンセントを買い込んだ。   
コペンハーゲンまで11時間(ロシア領内を延々と飛んだ。)、コペンハーゲンでオランダ行きの飛行機に乗り換えた。飛行機で2時間。オランダはスキポール空港に到着。すぐにホテルに直行。長い、長い3日を終えた。夕食はなし。スカンジナ航空のしょぼいj機内の食事には驚いてしまった。おいしかったのは、チリ産のワインだけ。昨晩も寝ていないし、機内でもあまり寝なかったので、爆睡する。


4日(水)
    

 
 アムステルダム中央駅。東京駅はこれをまねたものだそうだ。ホテルはこの前にあった。古いホテルだが、内装を改装してあった。コンピューターの無線ランが入っていたが、あまりにも利用料金が高いのでホテルの無料コンピューターでEメールを見た。 可愛いポスト。行く先ごとになっているのだろう。何個も並んで設置されていた。 
朝早くからゴミ回収車が走っていた。街中で分別がしてない感じだった。このコンテナーは回収車に持ち上げやすいように作られている。
 後で通訳に聞いたら、家庭のごみの分別はかなりすすんでいるとのことだった。
 



オランダは古い家並みを誇りに思っているようだ。屋根の形にもこっている。この街には危険建築物という概念は内容で、古く見るからに傾いでいる建物が旧市街地に沢山建っていた。
 



 オランダでも有数なデイケアなのだろう。家庭的であるのが売りの施設。それぞれのユニットに家にあるようなキッチン、リビングスペース(ソファ付き)、比較的大きな子どもの遊びの場、はいはいする幼児の遊びの場、お昼寝のためのベッドルームなどがあった。日本の学年ごとの保育と違い、兄弟、姉妹で育つような設定。2階の2歳から4歳までの子ども達のためにはホールがあって、楽しいプロジェクトをさせていた。広いスペースだ。
 




 目がおかしいのではありません。4百年近くたった建物があっちに傾いでいたり、こっちに傾いで居たりします。建設・環境委員の私としたら、日本の建築基準法違反の建物で驚きました。保存し今でも使っています。一軒でもだめになれば軒並み倒れてしまいそうです。
 後で分かったのですが、上の写真の道の一本西の通りはあの有名なアムステルダムの赤線街だそうです。なんだか不穏な様子なので、すぐにホテルに戻りました。 
CompaNanny: 4歳児以下(就学前)のためのデイケア施設。 株式会社が経営している。オランダはあまり女性の社会進出が多くはない。宗教上のことと、経済的に恵まれていたことが大きいのだろう。しかし、近年は女性も仕事を持つものが多くなった。それで、デイケアが必要とされている。
 この施設では「家庭的」であることが目的である。0歳から2歳までの子どもが一緒になったユニット制。このユニットに最大9人子どもが入れ、6ユニットあった。2歳から4歳のユニットは16人が9ユニット。これで定員208人というが、今まで定員いっぱいになったことは無い。料金は時間で決まり、1時間7ユーロ、8ユーロ(短時間保育の場合)、9ユーロ(英語保育)があるそうである。最大4分の3は国が補助する制度があるそうだ。空いている時間は朝7時から夜6時半まで。ひとつのユニットに2,3人の先生がつくらしい。特に低年齢のユニットでは保育者が多い。年長のためには、教育的配慮のプログラムを用意していた。
 昼食を16世紀の建物の中のレストランでした後、国立博物館とアンネ・フランクの家に行った。日本と比べ国立博物館は小さかった。沢山の宝物を展示していないのだろうと思う。選んで並べていたが、日本中国など東洋から運んだ沢山の磁器があり、複雑な思いを持った。オランダはインドなどに大きな植民地をもち、且つ、日本との貿易は何百年も絶えることが無かった。
  「アンネのかくれ家」はあまりにも悲しい思いに駆られ、おずおず出かけた。世界中から見学者が来ていて、30分も待ってやっと入れた。思ったよりも広かったが、あの閉ざされた空間に何年も同じメンバーで居て、その上、いつ開放されるか分からないとしたら悲劇だ。息が詰まっただろう。ただ、彼らが隠れているのを多くのオランダ人は知っていたが、ナチに黙っていたと言う。協力者は一人や二人ではなかったと知って嬉しかった。それなのに、誰が密告したのだろうか。隠れ家から追い出されたユダヤ人ではないかという噂があるのだそうだ。なんだか、悲しい話だ。写真を撮るのを忘れてしまった。
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5日(水)           

 
 オランダ労働総同盟(FNV)・女性部
 オランダのワークシェアリングについての学習会のはずだったが、そもそもオランダも日本も同じことが起こったようだ。すなわち、ワークシェアリングというので、パートタイマーが増えただけだったということ。パートタイマーは女性に多い
 ただ、オランダの場合は、同一労働同一賃金は実現してはいないけれど、時間が短くとも、年金などの社会福祉制度は適用される。日本のように時間が短いと年金も健康保険の特典もないという労働はありえないそうである。
 FNVの代表は女性であり、港湾組合から推薦され、総同盟の代表を務めている。国と経営者と労働者との調停機関で、労働者側の代表として参加している。代表が女性になって以来、国も労働組合も女性問題に真剣に取り組むようになったという。業種別労働組合連合の同盟組織であるFNVだが、それらの組合連合のうち、3,4割の組合長が女性であるという。女性議員も多く排出している。 
 現在の労働総同盟の課題は「同一労働同一価値」を実現すること、女性がもっと働きやすくする社会にすることだという。非正規労働が問題にならないのは、時間による福祉差別がないからだ。
 アムステルダム市立図書館:200万冊の本とAV資料を開架している地下2階地上8階建てのすごい図書館。出来て5年経った。62万人の市の中央図書館。
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は地下1階にあった子供用図書室。はその子ども用図書室にあった読書用ソファ。子どもがひっくり返って本を読んでいた。これだけではなく、すわり心地のよさそうな椅子が多かった。美術品もさりげなく置いてあり、豊かな文化が感じられた。
 は4階から見た一般閲覧室。白い吹き抜けに面したところにはコンピューターが設置されていた。HPの閲覧だけでなく、ワードでの書き込みもでき、プリントアウトも有料で出来る。自宅にコンピューターがない人もここで使えばOKである。
 は書架に面した閲覧コーナー。書架が低く、ライトがついている。サイドは本を飾るようになっていた。カードを持っていれば、借りるのも返すのも無料で、自動の機械で行う。ただ、カードを作るには年会費3000円ほどがいる。公立の図書館が有料とは考えてしまった。
  夕方アムステルダムを出発し、コペンハーゲンへ。コペンハーゲン空港は北ヨーロッパのハブ空港になったようで、どこに行くにしてもここをとおらなければならない。それにしても小さな空港ではある。